ここに書こうかずっと迷っていたのですが
記録として書き留めておきたいという気持ちもあるので
書いておこうと思います。
ここ2カ月の出来事を記録として記します。
思い返すと、昨年末くらいかだろうか
父がたまに咳してるな
風邪気味かな?
早めに病院に行った方がよい気もするな。
くらいの気付きはあった・・・。
そして、今年3月
近くのクリニックに行ったようだが、そこで最初に言われたのは
「寒暖差アレルギー」
アレルギーの薬をもらって1週間ほど様子をみることに。
その頃、朝は結構ひどい咳をしていて
誰がみても「普通の風邪」程度ではない咳をしていた。
それから1週間待たずして血痰が出るようになった
本人も血痰はおかしいと察したらしく、再度病院へ
CTを撮ってみましょう、ということになり
CTを撮影すると、肺に「何か」がある、という
ちょっとこの時期の詳細な経緯が分からないのだが
他のクリニックへ行ってみたらしい。
そこでもMRIやCTを撮ったらしいのだが
そこでも「肺に何かあります」くらいしか分からない
そのクリニックの先生は、何か影があるが、MRIの結果でも
他の臓器に異常は無いし、影も小さくて明確には分からない程度だから
それほど心配することもない。ということを言っていたらしい。
とはいうものの、大学病院で精密検査をした方がよいということで
紹介状を書いてもらい大学病院へ行くことに。
きっとこの時、そのクリニックの先生も万が一のことを想像したのだろう。
そして、大学病院での検査の予定が決まる。
(詳細な日時はうろ覚え)
3/22 PET-CT
3/29 ~ 3/31 まで 2泊3日で検査入院をする予定となった。
PET-CT ?
ネットで調べると、癌の転移を調べる検査だという。
癌?
癌かどうかもわからないのに、いきなりPET-CTをやるんだ・・・。
何か嫌な予感がする。
ネットで調べると、普通は気管支鏡検査とかで細胞を採取し
癌の確定診断をしてから、転移を調べるためPET-CTをやるのが一般的とある。
大学病院の先生は、紹介状と一緒に送付されたMRIやCTの画像から
癌の疑い、というか確率が高いと判断したのかもしれない。
この頃、自分はネットであらゆる可能性を調べまくった。
まさか肺癌じゃないよね? 自分がそうであってほしいと思うがゆえに
期待する答え、都合の良い情報ばかり探していた。
大学病院での最初の問診では3つの可能性があると言われた。
1.初期の肺癌
2.肺に何かカビのようなものが発生した
3.結核
その頃、なぜか咳はほとんど出なくなっていた。
血痰もほとんど出なくなったと言っていた。
ちょっとでも回復しているのなら肺癌ではなさそうだ。
もし肺癌なら、進行するに従って咳もひどくなるはず・・・
肺癌の可能性は低そうだとちょっと安心した。
きっと、可能性の一つとして挙げられたカビのようなものだろうと。
そして、3/22 PET-CT検査
その日は当然だが、結果は何も言われず帰宅。
それから1週間後、予定通り検査入院。
気管支鏡検査をして、肺の影の細胞を採取して分析するとのこと。
そして、2泊3日の検査入院が終わり退院。
3/22 のPET-CTでは他の臓器に異常は見られなかったとの結果を聞いた。
とりあえず一安心。。
気管支鏡検査の結果は2週間後の4/13だという。
この結果で肺の影の正体がハッキリする。
それにしても結果が出るまでが長い・・・。
細胞を培養する時間が必要とのことで、時間がかかるらしい。
そして、退院から2日目、事件発生。
父が熱があるという
大学病院に電話すると
「来てください」ということになった。
自分で車を運転して病院へ行ったらしい。
コロナ禍でPCR検査をしてからしか病院へ入れず、
病院へ入るのに2時間くらい要したと聞いた。
父から電話があり、そのまま緊急入院することになったと。
肺炎を起こしているらしい。
その夜、父が運転して行った車を駐車場に停めたままには出来ないということで
自分が母とタクシーで病院に行き、父の車を運転して帰った。
次の日だっただろうか
父からの連絡
痰からMRなんとか? が検出されたと看護師さんに言われたという。
MRなんとか・・・
ネットで調べると「MRSA」というのがヒットした。
多剤耐性菌という抗生物質が効きにくい治療が厄介なものらしい。
高齢者や免疫が低下している等の場合、重症化しやすく、最悪の結果となる場合もある。
正直、不安が一気に高まった。
その日から、父の病室の扉には入室時の注意事項の張り紙が貼られた。
エプロン着用
手袋着用
などなど。
面会は出来ないが、父の病室はナースステーションの目の前だったため
着替えや洗濯物を引き取る際に、病室の扉は見ることができた。
熱がなかなか下がらず、長引きそうだとのこと。
入院したまま、気管支鏡検査結果が出る 4/13 が近づいてくる。
そして、4/10
父から母へ電話があった。
どうやら4/13を待たずして、気管支鏡検査の結果を聞いたと。
癌らしい・・・
なんとも初めて経験する気持ちになった。
動揺しているのか、息がしにくい。
でも癌らしい・・って
「らしい」って何だ?
確定はしていないが疑いが出たのか、父が母にハッキリ言いづらく
表現を濁しただけなのかは分からない。
とにかく、先生からの話があるので、家族の方も病院に来て欲しいと。
コロナ禍のため、父の病室には行けない。
先生が来てから、面談室というところで待ち合わせるように父と面会した。
先生の説明が始まった。
気管支鏡検査の画像(肺の中にカメラを入れて撮影された画像)やMRI、PET-CTの画像など
画像を見せながら説明していただいた。
気管支鏡検査の時の画像
ここが右肺の入り口あたり、 もう少し進んでいくと血のにじんだ塊があった。
「ここに病変があります」
素人の自分が見ても、いかにも悪そうなものに見えた。
「肺癌になります。 この場所にできるのはタバコを吸う人に見られる典型的な癌です。」
悲壮感が漂う中、自分も母も黙って聞いていた。
父 「それが血痰の原因ですね?」
先生 「はい、これが原因と思われます。」
この時のステージは不明。
「これからの治療方針ですが、先日PET-CTで他の臓器への転移は見られませんでしたので
来週、脳のMRIを撮ります。 そこで転移があると手術はできません。」
母が尋ねる。
「転移していたとしても、肺の癌は手術で取れないのですか?」
「脳に遠隔転移しているということは、血液全てが汚染されているということ。」
「肺癌だけ取り除いても意味がありません。」
「転移が無くても、手術ができるかどうかは分かりません。これから検査で調べます。」
「癌の進行度、本人の体力が手術に耐えられるか、など検査していきます。」
「今、まだ肺炎の症状がありますが、回復に向かっています。」
MRSAとは厄介な感染症らしいが、回復に向かっているということを聞いて、少し安心した。
肺癌とは、遠隔転移している時点でステージ4確定となり、手術対象ではなくなる。
手術ができる条件として、まず遠隔転移していないこと。
第一関門は来週の脳MRI ということになった。
コロナ禍のため、面談が終わるとすぐに帰らなければならない。
父と話す時間は与えられなかった。
父が病室に戻るときに一言
「結果次第だな・・・」
その顔には見たことのない悲壮感が漂っていた。
それから病室に一人でいる孤独。
癌と宣告された本人の気持ちを考えると想像を絶する。
1人泣いてるかもしれない・・・
食事なんてとても喉を通らないだろう・・
いろいろ想像してしまった。
が、後から病院の食事は完食したと聞いた。
まだ食事ができるならいいか・・。