悪魔の起源とオリオン大戦
暁の天使ルシ
ルシは知的に優れた魂として神によって最も初期につくられた人格霊でした。ルシはオーム神霊が行ってきた創造の様子をじっと観察してきました。そして、何度もトライする内に、ルシは次第に大きなものを創造する力を身に着けて、とうとう惑星のような大きな物を創造する力を付けてしまったのです。オーム神霊は愛のエネルギーですから、愛の発現のためにのみ創造力を発揮したのですが、ルシは自分の力を誇示する為の創造力発揮だったのです。オーム神霊はルシを誉めませんでしたが、ルシの周囲の人間達は彼の創造力に目を見張りました。ルシの神の如くの創造力に魅了された人達が集まって、彼を崇拝する者がだんだん増えていったのです。
惑星連盟
地球に最初の人類が移住してきた時よりも遥か前に、オーム宇宙には愛と友情で結ばれた惑星連盟というものがありました。惑星連盟に所属する惑星の科学技術のレベルは高度で、あらゆる面で現在の地球より遥かに進んでいました。非常に無垢で神の手足となって働こうという、様々な異星人達が連盟を作っていたのです。惑星連盟には所属する惑星の代表者達で構成された評議会がありましたが、評議会の中のメンバーが、だんだんとルシの信奉者になって行きました。ルシは「貴方方も自由意志があるならば、私がやっているような神のごとき創造力を使って、もっともっと自己実現が出来ますよ」と評議会メンバーをそそのかしたのです。それに対して、評議会のメンバーの中にベーエルダの代表としてのミカがいて、「ルシの言っていることは間違っている。自由意志も創造力も愛を表現するための手段である。愛に反する方向で創造力を使うと、とんでもない反作用が来るぞ」と主張したのです。
オリオン連合
ルシは賛同者を集めて「力を結集して銀河系宇宙をつくろうではないか」と、誘ったのです。評議会メンバーの中にも、ルシの賛同するものと賛同しないものがいました。ルシは自分に反対するものに対して、姑息な手段を使って追い落としを図ったのです。本来信頼関係で結ばれていた惑星連盟の中に不信の種をまいていったのです。ルシの巧妙なウソによって、仲の良かった惑星連盟に大きな亀裂が入っていき、ルシに賛同するグループと反対するグループに大きく分かれてしまったのです。ルシに賛同するグループは「オリオン連合」というグループを作って、自分達の銀河系宇宙の創造を始めたのです。ルシたちは恒星や惑星を創造し、人間のような生物まで作ったのですが、愛の思いが欠如していた為、それらは不完全でした。
オリオン大戦
次第に惑星連盟の中に不信感が広がり、とうとう戦争に発展する事態になってしまったのです。これはルシが、この戦争勃発の仕掛人だったので、ルシたちの連合の名前を取って「オリオン大戦」と呼ぶ、オーム宇宙を舞台にした宇宙大戦争が始まってしまったのです。神の側に立ち、愛を重視する者達と、ルシに従うオリオン連合軍との戦いであり、科学の星:ベーエルダは神の側で、ミカは軍の司令官としてルシ達の軍と戦ったのです。地球に人類が移住してくる数万年前も前に、オーム宇宙の星々が真っ二つに分かれて、激しい戦争が何万年という非常に長い間続いていたのです。双方の力が拮抗していて、なかなか決着がつかなかったのですが、わずかに神の側に立つ者の方が、力が上回っていた為、勝利できたのです。この戦争の最後はルシとミカの一騎打ちになったのですが、ミカが高次元の神霊から授かった「エクスカリバーの剣」を持っていたので、ルシの強力なエネルギー波を防ぎ、勝利出来たのです。
戦争終結後に惑星連盟の評議会で、ルシとその仲間達が戦争犯罪人として裁く裁判が行われました。ルシが作った銀河系は全て破壊され、二度と同じ過ちを繰り返さないように惑星連盟に代わって宇宙連合が作られました。問題はルシの処遇をどうするかでした。オーム神霊の方針として、どんな魂であっても消滅させないという方考えが有ったので、どこかで彼を引き取る必要が有ったのです。そんな中、「私が預かろう」と申し出たのがベーエルダのエル・ランティでした。当時のベーエルダではエル・ランティは著名な指導者のひとりでした。科学の分野の指導者でしたが、科学と信仰の両立を主張して、ほかの指導者達と意見の違いが表面化していた時期でした。
ルシ達の裁判の少し前に、エル・ランティは地球の9次元霊達に、ベーエルダからの移住の条件を打診していました。エル・ランティからの「ベーエルダからの移住のメンバーとして、ルシも連れていきたいのですが、それでもよろしいですか」という問い合わせに対して、当時の4人の9次元霊、仏陀、アモール、セラビムとモーゼは、皆黙って考え込んでしまいました。4人の9次元霊達は先のオリオン大戦と、戦争犯罪人:ルシの事も良く知っていたのです。「これから、地球人類として新たな出発をする時に、そんな危険な男を受け入れて良い物だろうか」という事でした。その時に地球神霊のテラが「面白いじゃないか。引き受けよう」と言ったのです。ガイアも「私たち地球が引き受けなかったら、どこの惑星がルシの面倒を見るのかしら。受け入れましょうよ」と言ってくれたのです。地球神霊達がルシを引き受けると表明したので、もう反対する理由は無くなりました。9次元霊達はエル・ランティに対して「ルシを連れてきて頂いて結構です」と返事を送ったのです。
エル・ランティは地球からOKの返事をもらってから、評議会のメンバーにルシを引き取ることを提案したのでした。そして、エル・ランティは巨大な宇宙船を沢山建造して、「新しい惑星に移住して、科学と神への信仰とを両立させた世界を作ろう」という計画を発表して、ベーエルダで賛同者を募集したのです。最初はベーエルダの人達はルシを引き取る事に反対していましたが、「一時的に引き取って、その後に、ルシを連れてベーエルダを出てゆくのならば良いだろう」という事でベーエルダの指導者達も賛同してくれました。
地球の母星ベーエルダのあるマゼラン星雲
ベーエルダから地球への移住
地球に旅立つ前に、エル・ランティとルシはベーエルダで親子として地上に生まれて、家族の愛を経験させることに成りました。その時にミカもルシの兄弟として生まれて、ともに仲の良い兄弟になれたのでした。いよいよ、地球に旅立つことに成り、エル・ランティは6000万人もの人々を統率する事になりました。ルシとミカは宇宙船に色々な荷物を運んだりして協力して働きました。地球にやってくると、ルシは地球環境を整える為に一生懸命働き、もともと優秀な魂だったので、素晴らしい成果を挙げる事が出来たのです。ミカは、何時ルシの凶暴さが復活するか判らなかったので、自らの使命として常に監視をせざるを得ず、片時もルシから目を離す事が出来ませんでした。ベーエルダから来た人々が地球開拓の為に尽くした功績が認められ、神の光という意味の「エル」という名前をもらって、ミカは「天使長ミカエル」に、ルシは「大天使ルシフェル」として7大天使の一人に名を連ねる事になりました。
その後、ルシは2回地球で転生しのですが、問題は起こしませんでした。エル・ランティはルシに神の子本来の姿に戻ってほしいと常に心を砕いていました。その後しばらくすると、地球に他の惑星の人々が大量に移住してくるようになりました。オリオンの人達が移住してきた時には問題は起こりませんでした。しかし、ペガサスからの大移住があった後、ルシに変化が表れて来ました。ペガサスの人達はそれまでの移住者と異なり、自由奔放にふるまうタイプの人が多かったのです。それらの人々の姿を見て、ルシの目の色が変わって行くのを、ミカエルは見逃しませんでした。ルシの中で眠っていたものが目を覚まし、忘れていた感覚が蘇ったような様子だったのです。
エル・ランティの発案で地球オリジナルの魂を作る為に、霊界にパイトロンという巨大な装置が作られました。パイトロンは神の光を増幅する装置で、地球にいる魂にパイトロンで増幅した光を照射すると、新たな魂が5人出来たのです。元の魂を「本体」、新たに出来た魂を「分身」と呼んで、6人で魂のグループを構成し、魂の兄弟と呼びます。魂の兄弟の一人が地上に生まれると、他の者は生まれる事が出来ないのですが、霊界に帰ってくると、一人の地上での経験を魂の兄弟達で共有出来るので、魂修行の効率が高いのです。このように順番に地上に生まれて霊界に帰るという「転生輪廻」のサイクルが出来、地球オリジナルの方式として採用されたのです。又、地上での魂経験を積むうちに、霊界における魂のエネルギーが次第に大きくなる場合があります。神が望まれる方向に努力する内に、波長同通の法則で、神のエネルギーを引き寄せて、結果的に魂自体のエネルギー量が大きくなると考えられています。そして、そのエネルギーが非常に大きくなると、魂が分かれて分家現象が起きる事があります。本体から分かれた分家の魂を「分霊」と呼びます。
地獄界の発生
神の光としての愛のエネルギーは地上と霊界の地球全体に送られています。しかし、愛の思いと逆行する思いを持ち続けていると、波長同通の法則により、神の光が避けて通るようになってきます。ベーエルダからの移住から1億年位経つと、暗い想念を持つ者が出てきて、地球霊界に神の光が届かない場所が出来て来ました。地球の4次元霊界に、神の光を遮る場所がだんだんと広がって、地球に地獄界が出来てきました。パイトロンで作った魂達は波長の精妙さという点で、本体よりも劣って居た為、地獄にとどまる魂は分身が多かったのです。結果として、パイトロンによる魂の増加が地獄界拡大の一因となったのです。地獄にいると神の光が届かないので、活動エネルギーは地上にいる人間に、波長同通の法則で近づいて、その人間の生体エネルギーを吸収しているのです。これを「憑依」現象と呼びます。地獄霊の事を「悪霊」とも呼びますが、積極的に地上に人間達を混乱させようとする地獄霊も出てくるようになり、このような悪霊を「悪魔」と呼びます。「悪魔」達が作る地獄界を「魔界」と呼びます。
今から1億2千万年前頃になると、魔界が増大して、地上に人間に対する影響が甚大になって来ました。パイトロンによって魂を増やしてから、その傾向が強くなってきました。地獄拡大を食い止める為に、地上に生まれて人々を正しく導くという役割を誰かが引き受けないといけない状況になったのです。その役割りをだれに託すのか、という話し合いが9次元霊界で行われ、エル・ランティは「その役はルシにやってもらおう」と提案しました。エル・ランティの提案は了承され、他の9次元霊達もルシを応援して地上に送り出したのです。
今から1億2千万年前にルシは中東のある国の王子として生まれ、その時の名前はサタンという名前でした。当時は科学が発達しておらず、地下から黒い水が湧き出ていたのですが、その正体は判らなかったのです。ルシはいち早くその液体の正体を見抜き、彼は他国との戦争に「燃える黒い水」を利用したのです。地面の四方を囲むように溝を掘り、そこに黒い水を染み込ませて置き、敵国との戦いで、相手の軍隊をその囲いの中に誘い込み、全員が入った所で、黒い水:石油に火を放って、全員を焼き殺して全滅させるという手法を取って、次々と他国を征服していったのです。当時の人々は、突然地面からものすごい勢いで火柱が立つのでみんな魔法だと思ったのです。周囲の国々からは、「神のような不思議な力を操る者」と恐れられるようになったのです。サタンの軍勢は、次々と他国を征服し、征服した国での虐殺、略奪等、考えられる限りの悪を尽くすのでした。
地上のルシの姿を見て、エル・ランティは何度も警告し、大空に「サタンよ、心を改めるのだ。汝の使命は神の子として平和を守る事なり」と警告文字を出現させた事もありました。しかし、ルシの悪行は変わらなかったので、ミカエルにエル・ランティから「地上に降りて、ルシの野望を阻止せよ」という命令が下ったのです。ルシが30歳の時に、ミカエルは地上に生まれ、若くして立ち、いち早くサタンの石油を使ったトリックを見抜き、次々とサタンの軍勢を打ち破って行き、最後にサタンを追い詰めて地上の生命を終わらせたのです。
地獄の帝王ルシファー
死んだサタンの霊は天上界にいたルシのエネルギーを吸い取って、天上界の天使たちをなぎ倒しながら、8次元、9次元レベルにまで上がってこようとしたのです。通常は波長同通の法則から、地上で悪の限りを尽くした者が天上界に上がってくることは不可能なはずですが、サタンほどの力があると思念エネルギーを集中させる事で可能になってしまうのです。サタンが天上界に駆け上がって来た時に、全力で彼を叩き落とし、地獄に封じ込めたのが天上界に残っていたミカエルの本体でした。地上にいたミカエルは8次元にいるミカエルのエネルギーの一部が地上に生まれてきているので、大部分は天上界で普通に活動しているのです。今回も霊界のミカエルがエクスカリバーの剣を使って、サタンの全てのエネルギーを地獄に封じ込めたのです。オリオン大戦時のルシの部下で、一緒に地球にやって来た者達も彼を慕って地獄に落ちて行き、ルシは彼らを使って地獄の勢力を拡大し、ついには地獄の帝王ルシファーとして君臨するようになったのです。ルシのかつての部下達は地獄の魔王として猛威を振るうようになって行ったのでした。
アモールの三提案
ルシが地獄の帝王として活動を始めると、地上への悪魔達の影響はますます大きくなり、天上界としても対策を考えなくてはいけない状況になったのです。モーゼやミカエルといった赤色霊団の者たちが地獄に赴いて、説得を繰り返していたのですが、なかなか聞き入れてもらえず、逆に攻撃されてしまうこともたびたびあったのです。しばらくすると、9次元霊のアモールから、地上に生きる人間達への地獄の影響を小さくする為の対策が提案されたのです。
それは三つの提案からなっていました。
①地上に生きる人間達に霊道を開くことを原則禁止とする
②地上に生まれた人間に、必ず一人の守護霊を付けて、悪霊から守る役割をさせる
③大指導霊が定期的に地上に生まれて、地上の人々を指導する
霊道を開くというのは霊能力を発揮する事ですが、心のコントロールが十分に出来ないと、波長同通の法則で地獄霊を引き寄せて、憑依されてしまう危険性が高いのです。しかし、霊道が開けないと、間違った方向に行くことがあるので、そのような場合に守護霊が地上に人間にインスピレーションを送って、間違った報告に行かないようにして、地上の人間を守るのです。そして、大指導霊が定期的に地上に生まれて、天上界の事を教えて忘れないようにするのです。このアモールの三提案は他の9次元霊達の賛同を得て、1億年以上も実行されています。