昨年、井上芳雄さんと上白石萌音ちゃんで『ダディ・ロング・レッグズ』を上演していましたが、観たくて堪らなかったのにチケットが全然なくて観れませんでした
確か配信もあったけど登録が難しくて断念したような、、、
その同じ芳雄さんと萌音ちゃん、そしてジェーンにはもう1人ダブルキャストで屋比久知奈さんが配役されて、そこにゆきちゃん(仙名彩世)もご出演と知ってゆきちゃんのFCに入っているお友達にチケットをお願いしていました
この公演もなかなかのチケット難でしたが、無事萌音ちゃん回を観劇することができました
今日が千秋楽だったんですね
ジェーン・エアは10代の頃に読んだきりでストーリーも殆ど覚えていなくて(え?)予習もなしに観に行きました
入口でオンステージシートの方というチケット受け渡しのコーナーが出来ていて、はて?🤔と思っていたらなんと舞台の上に上手側と下手側に客席の雛壇が設置されていました![]()
客席からはそのお客様達も視界に入る形で、その方々は舞台で芝居をしている俳優さん達を後ろから?横から?観る感じだったのでしょうか?
こんなのは初めて観たので凄く不思議な感覚でした
舞台の背景として馴染むようにということなのか、舞台のお客様達の洋服は黒で統一、マスクも黒で指定されていたようです
舞台のセットはほぼ変わらず、ほんの少しの小道具を変えただけであとはジェーン、エドワード、ヘレン以外はほぼ1人で何役もこなし、その扮装だけで召使になったり別の人物になったり…
説明されなくても台詞や雰囲気でここは誰のお屋敷なのかなど分かるようになっていて、シンプルながら演出のジョン・ケアードさんの拘りを感じました
私が観たジェーン役の萌音ちゃんは、あしながおじさんに続いての起用ということで、余程ケアードさんに気に入られているのかと思いましたが、然もありなんと思える程素晴らしいお芝居でした
幼少期にあのように壮絶な経験をしたにも関わらず、あれだけの慈愛を持って人に接することが出来るようになったところが普通ならあり得ないと思ってしまうのですが
そんな違和感も感じなくなるくらい、途中から完全にジェーンに感情移入してしまっていたので、結末が分かった時はじわーっと涙が出てしまいました
あんな小柄な女の子に縋るようにジェーンを求めていたエドワード(芳雄さんにではなく😁)にも良かったね。。。と感動でした🥺
そして芳雄さんのエドワードは昨年忘れもしないガイズ&ドールズのギャンブラー、スカイ・マスターソンだったのが、声は芳雄さんだ〜と(当たり前だけれど)思うものの全く別人物として存在していました
あちこち引っ張り凧で、井上芳雄さんは実は2人、いや3人くらいいらっしゃるんじゃないだろうかと思う今日この頃😅流石でございました![]()
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そしてジェーンに多大な影響を与えたヘレン役の屋比久知奈さんは『ミス・サイゴン』でその評判をお聞きしてから一度観てみたいと思っていた女優さんでした
不遇な境遇に置かれて卑屈になっていたジェーンを包み込むような優しいヘレン🥹
歌も上手くてこの人のキムも観てみたかったな…
ただ、ヘレンは一幕が殆どで二幕は一場面しか出てこないのです
そうそう、一幕では幼い頃のジェーン役の子役の子がヘレンとお芝居するのですが、大人顔負けで子役というより完全に女優さんでした
本当に上手![]()
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カーテンコールではその回がその子の千秋楽だったからなのか、大きな拍手にちょっと泣きそうになっていたのが印象的でした
そしてジェーンの母、召使?のソフィ、貴族の令嬢ブランチ・イングラムと三役演じていたゆきちゃん
それぞれ全く違う役柄でしたがゆきちゃんらしく生き生きと演じていて、特にブランチの時は歌を披露するシーンもあって大活躍でした
同じく宝塚OGの春野寿美礼さんは意地悪な伯母、ミセス・リード役が本当に嫌な役でしたが、厳しくて嫌な伯母であればあるほどジェーンの不遇さが際立つので素晴らしい芝居だったと思います
ジェーンに貴女を見るだけで吐き気がする!と言われて激昂する場面とかシンデレラの継母みたいでした
でも亡くなるシーンでは亡くなる直前までジェーンを恨むような言葉を投げつける中で、きっとそう思われていたことを寂しく思っていたのではないかな…と思ったり…
それから宝塚オールドファンには懐かしい春風ひとみさんがミセス・フェアファックス役を演じておられました
ただただ懐かしい…
私は春風ひとみさんが退団されてからの舞台を拝見したことがなかったので、記憶が娘役時代のあのままだったので、どうしても繋がらなくて不思議な感覚でした😅
でも昔から芝居の上手い方だったので、ジェーンがエドワードからプロポーズされたと聞いた時の驚きと嫉妬と嬉しさの混じったような混乱した様子に彼女(ミセス)の人柄の良さが滲み出ていてほろっとしてしまいました🥹
そして衝撃だったのが樹里咲穂さんが演じた三役のうちの最後の役で、エドワードが望まない結婚を強いられた病により狂女となったバーサ・メイスンが凄かった…!!
最初誰だか分からなくて、何度もオペラで観て樹里さんに似てるけど、、、え、、、?と固まってしまいました![]()
だって怪演過ぎてリアル過ぎてあまりにも怖かったので、そんな女性と結婚させられたエドワードが心底気の毒に思ってしまって。。。
一幕の厳しい教師役のミス・スキャチャードも硬質でいかにも海外に存在しそうな女性だったし、流石は樹里さん…特にバーサには鳥肌が立ちました
メインキャストの皆様の素晴らしさは既に語った通りですが、他にもアンサンブルの皆様もきっちりとそれぞれ何役も演じておられて素晴らしかったのですが
この作品の質を底上げしていたのは間違いなく宝塚OG女優陣だったと思いました
あとやっぱりその作品に似合う箱の大きさってあるんだなーと
この前の星組の『赤と黒』もそうですが、ぎゅっと小さめの箱だからこそ舞台の上から伝わってくるものがあると思いますし
今回の作品もきっとどの席に座ってもあの世界観にどっぷり浸っていられたのではないでしょうか
久し振りに上質の芝居を堪能したなぁと思いました
一度限りでしたが観れて本当に良かったです。