今回の『あかねさす紫の花』という作品は、A,B二つのパターンがあるからということもありますが、ざっと見回しても好みが分かれたというか、自分はどちらが好き
という感想が様々だったのも面白かったです
みりおちゃん(明日海りお)ファンは、単純に言うと、打ちひしがれる大海人皇子か、酷い兄だけど強くてドSな中大兄皇子が良いのか
に分かれていたと思いますが・・・
あとはやっぱりれいちゃん(柚香光)がお好きな方はB,ちなつちゃん(鳳月杏)がお好きな方はAとうご意見が多いかなと思います(役の比重が違い過ぎますからね)
でもそういうことなしで考えると、やはり共感できる役であるかそうでないかはとても大きいと思うのです
冷静に考えても、この作品のメインキャストの中で一番共感しやすいのは、幸せな夫婦生活を送っていたのに、突然愛する妻を奪われてしまった大海人皇子だと思います
そして一度は愛されて幸せを味わった後に、実の妹に妻の座を奪われる形となり、元夫の家臣の元へ嫁ぐことになった鏡女王
そして本来一番共感し辛いのは、いくら政治の為とはいえ、弟の妃を無理やり奪った中大兄皇子と、例え言い寄られようと、否とはっきり言わなかった額田王です
普通に現代で考えたら、私だってそんな夫なら絶対嫌ですし、額田のような女性は女の敵
あり得ないです![]()
この作品の初演は、実力、人気共に拮抗していた方々が演じられたので、私は拝見していませんが、額田を演じられた方も含め、二人の間で揺れ動くのは致し方ない・・・という、名作として残った作品だったのだと思います
でも、後に春野寿美礼さん主演の時以外は、大海人皇子主演バージョンで再演を繰り返されたというのは、日本人の心として判官贔屓というものがあり、悲劇の大海人皇子には共感しやすく、奪う側の中大兄皇子には共感し難いというのがあったのだと思います
それにラストシーンでは、中大兄皇子は動きがあまりなく、酒に酔った体で宴の場にやってきて、大槍を振り回しながら踊る大海人皇子は、主役を喰う勢いのある役でもあります(美味しい役とも言えます)
なので、主演として中大兄皇子を演じるというのは、トップとしては大きな賭けでもあったと言えると思うんです
だから私はこの配役が発表された時、トップとして4年やってこられた今でも、守りに入らず攻めの姿勢で舞台に挑んでいるのだと、本当に心底尊敬し・・・・そして改めてカッコいい
と惚れ直したんです
そして実際見た時の感想はもう色々書きましたが
改めて総まとめとして明日海りお演じる大海人皇子様と中大兄皇子様について語りたいな~と思っています(まだ書くのか![]()
)
あと額田についても、大海人皇子主演にして、悲劇の話として作ったほうが、本意ではないのに愛する大海人皇子から中大兄皇子の元へ嫁ぐことになった・・・というのを強調したほうが、額田にも共感しやすいかもしれませんが、今回それもしなかったということで、ゆきちゃん(仙名彩世)も力量のある方だったから成立した形だと思っています
だからね、今回の博多座公演の凄いところは、主演が二つの役を役替わりしたことじゃないんですよ
もちろんそれも凄いことですが、一番は中大兄皇子主演を復活させたことなんです
ということであまりに長くなったので一旦終わりますね![]()