冬のパリの夜明けは遅い。午前7時といえどもこのとおり。夜歩きをしてるかのような暗闇の中。
まるで精巧に作られた舞台セットの中を歩いてるかのよう。鳩さんだけがエキストラ。人影もなく。
誰かが特別に用意してくれたかのような舞台設定。
パリとの秘密の再会。実感なく、まるで夢の中にいるような気分。
(そりゃそうだ、時差ボケのうえ出発前からろくに寝ていないんだし…。)
パリ滞在のリミットは9時。
時間の許す限り遠くまで歩いてみよう。
パリの街並みを歩くことそのものがアート体験なのだから。
そのためにシャンゼリゼ界隈にホテルを予約したんだ。
ブランド通りに折れてセーヌ川に会いに行こう。
時計が8時を告げたら折り返そう。
地図は要らない。
どこにいても、パリの今ここから目的地までの道筋は頭の中にある。
こんな色をしたセーヌ川に初めて会った。
(そりゃそうだ、早起きなんかしたことなかった)
この様子じゃカフェが開くまでは待っていられなきから、機内食でもらったガトーをこの川辺で楽しむことにしよう。エールフランスのサービスはクオリティ高し。
歩道の欄干に腰をかけセーヌ川のゆらめきを眺める。お気に入りのスタイル。
セーヌ川にいくつもかかる橋。
もうひとつ先の橋を渡って折り返そう。
だって、あれはアレキサンドル橋。パリの街並みの真骨頂をお友達にぜひ観てもらいたい。
感動すること間違いないんだから。
そしてついでにわたしはナポレオンにお久しぶりの挨拶をしよう。
背後のアンヴァリッドはナポレオンの墓廟。
わたしはナポレオンが好きなのよ。敬愛する気持ちはなぜか年を経ても変わらない。
また会いにこれました。頑張りますね。
なかなかご縁のないプチパレ。工事終わって(いつの時代や)、中の様子が覗けるようになってる♪1分の寄り道。
あとはひたすらにシャンゼリゼ通りを緩やかに登り詰めればホテルに戻れる。
葉を落としたマロニエのシルエットが冬のパリの象徴。さえざる鳥の姿もくっきりと見える。
枝を透かして観るパリの街並みはノスタルジーにしてスノッブ。いつか見た遠い記憶の中の景色。
戻ってきた。いつでもパリはここにある喜びがふわり湧いてくる。石畳の感触を確かめる。
また戻ってくるんだろうな。約束の場所。
計算どおりにホテルに無事戻る。
いざ空港へ。
旅はまだ始まってない。















