留学の目的は人それぞれです。
私が以前やっていた仕事では、日本からの留学生を増やすことをミッションとしていました。
ですから、様々な留学に関係するイベントにもたくさん参加しました。
日本全国、北は北海道から南は沖縄まで行きました。
その中には、教育委員会が実施するものや、
他の団体が主催するものもあり、
高校の生徒さん達にお会いすることもよくありました。
いろいろと夢や希望、不安や疑問などもたくさんありました。
でも、中には留学すること自体が目的になってしまっている人も珍しくありませんでした。
何の勉強をするか?というと英語を勉強することくらいで、
特に何を目指すこともない。
英語の勉強をするために留学するのが悪いことではありません。
でも、身に付けた英語をどうするか、どう活かすのか、
そこまでは考えが及んでいないのです。
まだ10代、中には社会人でも同じような感じの方もいましたが、
人生経験も浅い10代なら、そこまで考えが及ばないこともあるでしょう。
そんな時は、周りの大人がしっかりと導いてあげないといけません。
ある時、地方の大学で留学イベントがあった時、
地元の高校生がお母さんと一緒に来られました。
お話を聞いていて、何となく留学してみたい人なんだなと思いました。
お母さんはもじもじとしながら隣で不安そうに話を聞いています。
その子はにっこり笑顔で、留学への興味を語ってくれましたが、
私はお話をしながら、その流れで訊いてみました。
「とりあえず留学してみたいって思ってるだけじゃない?留学すれば何とかなるって思ってない?」
するとその子は満面の笑みで
「はい、何とかなるって思ってます。」と答えました。
私は「何が何とかなるって思ってる?」と訊くと、
「う~ん、全部何とかなるかな~って」と。
留学行けば何とかなる。
英語が流暢でなくても、生活は何とかなる、
と言えば何とかなります。
でも、そういうことではありません。
留学すること自体が目的になってはいけません。
将来自分がこうなりたい、あそこまでたどり着きたい、
そのためには日本でも学べるかもしれないけど、
海外で留学する方がより良い結果につながる、
その方が確実に実現できる、という考えがはっきりとあって、
目標を達成するためには、留学する方が良いという理由を説明できれば、
きっとそのお母さんも不安にならずに、我が子の留学を素直に応援できたと思います。
かく言う私も、最初に留学をする目的は、
行ったこともない国への移住でしたから、偉そうなことは言えません。
でも自分の失敗があるからこそ、そうならないように、
しっかりと目的を明確にして、揺るがない意志を持って留学を目指して欲しいと思います。