私は海外で日本人留学生のお世話をする仕事をしていたことがあります。
もう20年位前の話です。
そこでたくさんの日本人留学生に出会いました。
ある時、日本でバイトをしていた時にお世話になった方から、
「今度留学行く子がいるから連絡先教えてもいい?」と訊かれたので、
「もちろんいいですよ。」というお返事をしました。
その人が到着して、すぐに私に会いに来てくれたのですが、
途中でちょっとATMでお金を下ろしてくると言ってATMに行きました。
すると青い顔して戻って来て、
「お金がない、下ろせない。もしかして乗ってきた飛行機で、私が寝ている間に隣の席にいた外国人が私のATMカードに何かして、先に全部下ろして盗んだんじゃ?」
私は、おいおい、いくらなんでもそんなことできる訳ないだろう~
いくら飛行機で寝てるって言っても、どこにあるか分からない財布を探し出し、
そこからカードを抜いてスキミング?到着してすぐATM行って全額下ろす?
バカも休み休み言いなさいよ。って内心では思いました。
「そんなバカな」と言いながら、一緒にATMに行って見てました。
「どうやって下ろそうとした?同じようにやってみて。」
と言ってその人に再度チャレンジしてもう。
「お金を下ろすのはWithdrawalね」
「カードを入れて、次は暗証番号ね」
そういうとその瞬間、
「は!」
「私、さっき暗証番号入れなかった!」
私は「・・・」
お金出てくる訳ないよねー
暗証番号入れないんだもん。
それで出てくる方が問題あるよねー
分かりますよ、初めての国、初日、慣れないことでエラー。
でもだからって、飛行機で隣の席の人が、自分が寝てる間にスキミングして口座から全部お金盗むなんて、よくそんな妄想ができたもんだ、と。
実害はないけど、無実の罪で疑われた人が気の毒でした。
その人は、後日、ホームステイをしたいということで、
私がいた会社で申し込みを受け付けました。
自分なりの理想像があったのでしょう。
家族は小さい子供がいる白人の家庭がいい、とか、
そういう条件をいくつか希望されたので、極力近い条件のファミリーをご紹介。
入居前は斡旋されたファミリーの条件にご満悦で、
これぞ私の探し求めていたホストファミリー像!
という感想を持ちながら滞在されました。
でもその家庭で過ごしていくうちに、
「こういうところが、何か違う」
「こういうことをして欲しいのにしてくれない」
「そういうものだと思っていたのに違う」
段々と自分の理想と現実のギャップばかりを気にし始めました。
こういうケースって、実は時々あって、
事前に自分が思い描いていた理想像と違うと、
こんなのはおかしい!このファミリーはおかしい!と言い出します。
聞いてる限りは、別に何もおかしなことはしないですし、
ごく一般的な対応をしているファミリーでした。
最後には、ホストファミリーから、
「本当は使った電話代とか払ってもらう必要があるけど、
もう関わりたくないから支払いもいいです。」と言われました。
本人も滞在延長は希望されていませんでしたが、
ファミリーからも滞在延長NG出されました。
理想や夢を持つのは良いことですが、
郷に入っては郷に従えという部分もあります。
ホームステイはこういうもの、学校ではこうしてくれるもの、
そういう思い込みは捨てましょう。
「日本だったらやってくれる」と言う人もいましたが、
留学先は日本ではありませぬ。
日本ではやってくれるのが当たり前のことでも、
外国では当たり前じゃないことがあって当たり前です。
異文化の国に行く時は、違うことを楽しむくらいの気持ちがないと、
期待外れの連続で辛くなります。
異文化体験は期待通りのこと、楽しいことばかりではないですからね。
お客様は神様ではありません。