ずかずかと進んでいく大男の後を、僕は、刻印づけされたヒヨコのようにチビチビとついていった。更にその後には先輩がついてきていた。
「なんでついてくるんですか?」
ぶっきらぼうに僕は言った。
「お前みたいに危なっかしいやつ一人にはできねぇからな」
「親みたいなこと言わないで下さい」
「まぁ、代理責任者ってとこ」
「勝手に責任者にならないで下さい」
「じゃあ漫画喫茶の立て替えた金返せ。今すぐな」
「それは・・・」
金銭面に関しては、僕は限りなく弱者だった。多分、小学生と財布の中身を見せあいっこしたら間違いなく負けるだろう。
そう言うと、先輩は普段のだらだらとした歩きをやめ、きびきびと大男の後をついて行った。
まったく、なんて男だよ。
道路の脇に停車してあった大男の車は、とても大きなトラックだった。それも普通のトラックではなく、デコトラと呼ばれているような代物だった。前面部と後部には豪華絢爛名な装飾品が付いており、荷物を載せる部分の側面には巨大な壁画のように、竜が空に昇っていく絵が描かれていた。
「乗れ」
僕の先輩に対する態度よりもぶっきらぼうな大男の態度に、僕らはおどおどしながらも助手席に乗り込んだ。
車内は外のピカピカとした飾りとは対照的に、いたって普通で、金閣寺と銀閣寺ぐらいのギャップがあった。
「よし、行くぞ」
そう言うと、車は大きな唸り声を上げ進みだした。