もちろん、進行や広がりの程度によりますが、乳がんは早期に発見されれば
治る病気であるとの認知が広がっています。
でも、すごく自分勝手だけれども、私自身、告知を受けてショックだったのは
「生命の危険」を感じてのことではない。どちらかといえば、お胸を手術しな
くてはならないかもしれないこと、それが一番ショックでした。
36歳でシングル。
そろそろ諦めなよと言われてもおかしくない年齢になってしまっていたけれ
ど、それでも私は女性としての人生にまだまだ希望を抱いていました。
ささやかでもいいから、恋愛したい。
平凡でいいから、結婚して暖かい家庭を築きたい。
いつか子供が欲しい。
手術して病気が治せると頭でいくら理解しても、お胸にメスをいれることは
「身体の形状として、今、この時点の状態にはもう戻れないこと」を明確に
示していて、それがとっても辛かった。
「加齢と共に、身体の形状はいくらでも変わる」ってことぐらい、頭では
よく分かっていて、ほんの少し形状の変化が早く訪れるだけだってこと
なんだけど、心がなかなか呑み込めないのです。
お胸に傷が入る時、あるいはお胸を失った時、私は女性としての自信を
失わずにいられるのだろうか。
もう、恋愛なんてことを期待しないで生きていくしかないのだろうか。
そんなことが、何度も何度もぐるぐる言うのでした。