よど号メンバーと接触 「拉致」2児 父の会社

73年に失跡した北海道帯広市出身の主婦渡辺秀子さん(当時32)の子ども2人が北朝鮮の工作員とみられる女(59)に拉致されたとされる事件で、舞台となった東京都内の貿易会社は、70年に日航機「よど号」をハイジャックしたメンバーらと接点があることが、警察当局の調べでわかった。メンバーやその妻らは北朝鮮へ渡った後も日本に出入りしており、警察当局は貿易会社や関係者が日本国内での活動にかかわっていた疑いもあるとみて調べている。
貿易会社は東京都品川区の「ユニバース・トレイディング」(71年設立、すでに解散)で、渡辺さんの在日朝鮮人の夫も勤務していた。
調べでは、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の第1副議長だった男性が設立にかかわり、社員ら約30人のうち10人前後は北朝鮮工作員だったという。在日朝鮮人や親類が工作員に選ばれたという。
よど号メンバーとの接点が浮かんだのは、88年5月。北朝鮮に渡っていた男性メンバー(53)が他人名義の旅券を不正取得したなどとして兵庫県警に逮捕された事件で、取得を手助けしたのが同社の男性社員だった。メンバーはこの社員の弟名義の旅券を不正に取得し、弟に成りすまして日本国内で暮らしていた。
男性社員の妻もユ社に勤めており、女工作員の指示を受けて、渡辺さんの子ども2人を北朝鮮に拉致した実行犯グループの1人とみられる。
同社には、よど号メンバーを支援した男性も社員として在籍していた。この男性社員の妹は北朝鮮に渡り、今年1月に死亡したメンバーの田中義三受刑者の妻となった。76年に失跡し、北朝鮮で別のよど号メンバーと結婚したとされる高知県出身の女性(失跡当時24)も、一時期、同社が入っていたビルで警備員をしていたという。
asahi.com:よど号メンバーと接触 「拉致」2児 父の会社 - 社会