<2児拉致>木下容疑者、「背乗り」で北朝鮮と日本を行き来
北海道出身の主婦、渡辺秀子さん(失跡当時32歳)の2児が北朝鮮の工作員に拉致された事件で、警視庁公安部が国外移送目的略取などの容疑で逮捕状を取った木下陽子容疑者(59)が、複数の実在の人物になりすまして旅券を取得し、北朝鮮と日本を行き来していたことが分かった。「背乗り」といわれる手法で、公安部は、別の工作員らから引き継いだとみて調べている。
調べでは、韓国籍だった木下容疑者は74年1月ごろ、拉致を実行した「運転手役」の親族(日本人)名義の旅券を取得。2度出入国を繰り返した後、3カ月後には欧州経由で北朝鮮に渡っていた。2児の拉致は同6月中旬で、公安部はこの時に2児の扱いについて指示を仰いだとみている。
74年秋、運転手役が工作グループから離れたため、発覚を恐れてさらに別人になりすまし旅券を取得。当時北朝鮮工作機関の拠点があったとされる中東地域も訪れたという。「背乗り」は、木下容疑者が77年6月に日本人と結婚して日本国籍を取得するまで続いた。
73年7月に蓮池薫、祐木子夫妻の拉致に関与したとされるチェ・スンチョル容疑者(国外移送目的略取容疑などで国際手配)も背乗りで旅券を不正取得。このころから、北朝鮮工作員が盛んにこの手法を取るようになり、公安部は、同年10月に北朝鮮に滞在していた木下容疑者にも伝えられたとみている。
木下容疑者の逮捕状取得を受け、警察庁は26日夜、国際刑事警察機構(ICPO)を通じ、国外移送目的略取容疑などで国際手配した。
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