韓国、奇妙な光景 北の独裁を擁護 「人権問題」政府は冷淡 金大中氏も無関心 | trycomp2のブログ
【ソウル=黒田勝弘】日米の人権大使も参加して民間の国際会議がソウルで開かれるなど、北朝鮮の人権問題に国際的関心が高まりつつあるが、肝心の韓国内では政府が依然、冷淡なほか、人権団体が逆に北朝鮮を擁護し、ノーベル平和賞の金大中前大統領も北の人権問題には無関心なように受賞五周年パーティーで相好を崩すなど、奇妙な風景が展開されている。
韓国政府は「北との対話、交流、支援によって北朝鮮に余裕が生まれることが人権問題改善につながる」(政府当局者)と中長期的観点を強調し、金大中氏は「政治的人権はともかく食糧や肥料の支援、南北離散家族再会、脱北者支援など生存にかかわる社会的人権は大いに支援してきた」と弁明している。また親北・左派の人権・市民団体は「生存権こそ最大の人権」として食糧など支援が優先されるべきだと主張している。
この「政治的人権より生存権のための支援が重要」というのは、今や韓国の政府や親北・左派勢力が内外の批判をかわすための格好の理屈になっている。
ソウルでの北人権国際会議に反対する人権・社会団体(二十五組織)が発表した声明は「北の政治犯収容所は存在が確認されていない」「食糧難は(北朝鮮だけでなく)多くの国で発生している」「拉致韓国人問題は南北分断の悲劇」などとし、北には人権問題は存在しないとする北朝鮮の主張そのままに“独裁体制擁護”に懸命だ。
この市民団体声明は「人権増進のため北の体制を崩壊させるべきだとの主張は(国家、民族の)自決権を脅かすもう一つの人権侵害だ」との理屈も展開しているが、韓国の親北・左派勢力は日ごろから「人権問題を政治的に扱うな」と主張し、人権問題の根本原因は独裁体制との見方が広がることを警戒している。
金正日総書記との初の南北首脳会談実現などを評価されノーベル平和賞(二〇〇〇年度)を受賞した金大中氏の五周年祝賀パーティーには、盧武鉉大統領からもメッセージが寄せられた。しかし金氏について「独裁と真っ向から戦い民主主義時代を開き朝鮮半島に平和の基礎を築いた指導者」と韓国の過ぎ去った独裁との戦いのことには触れながら、現在進行中の北朝鮮の独裁には金氏ともども触れていない。
一方、米国のレフコウィッツ人権大使は韓国政府当局者と会い「北朝鮮の開放のためには経済支援と人権改善を関連させるなど韓国はもっと積極的に介入すべきだ」と伝えたが、韓国側は「目標達成の手段と方法には柔軟性が必要」と主張、立場の違いがあらためて明らかになった。韓国には政府任命の「女性人権大使」に次世代指導者の一人として人気が高い康錦実・元法相が就任しているが今回の人権国際会議には姿を見せていない。
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