拉致事件渡辺さん 74年3月殺害か
埼玉県の主婦渡辺秀子さん=当時(32)=の子供二人が北朝鮮に拉致されたとみられる事件で、渡辺さんは一九七三年末に監禁された後、七四年三月中旬に絞殺された可能性が高いことが、警視庁と兵庫県警の共同捜査本部の調べで分かった。
七三年秋以降、渡辺さんは失踪(しっそう)した北朝鮮工作員の夫を探し、夫の勤務先で、北朝鮮の工作拠点だった貿易会社「ユニバース・トレイディング」(東京都品川区、解散)の周辺を尋ね歩いた。この際、工作活動の発覚を恐れた同社社員でリーダー格の女工作員(59)の指示で親子とも監禁された。
渡辺さんは七四年三月十日、北海道の友人に電話し「福井から」と話したとされる。しかし、同年三月末にリーダー格の女が工作員を集め「組織の秘密を守るためにはどんなことでもする」と渡辺さんを殺害したことを示唆。複数の男性工作員が「工作員の男が首を絞めて殺した」と話していたことが分かった。
リーダー格の女は、北朝鮮本国の指示を仰ぐため、四月中旬から約一カ月にわたり北朝鮮に入国していたという。
殺害に加わったとされるのは、リーダー格の女とその元夫(60)、母子を監禁していた男(53)、運転手の男(59)の四人。リーダー格の女と元夫は七九年五月に出国し、母子を監禁していた男も七八年に出国した。運転手の男は所在不明で、殺害に関する新たな供述は得られていない。
東京新聞:拉致事件渡辺さん 74年3月殺害か:社会(TOKYO Web)