北朝鮮向け放送が増加 | trycomp2のブログ
愛好者らフォーラムで報告
アジア諸国・地域における短波ラジオ放送の現状について調査した結果を発表するフォーラムがこのほど、東京都内で開かれた。拉致問題への関心が国際社会で高まったことなどから、諸外国から北朝鮮に向けた放送が増える一方、ラジオの短波放送が、縮小傾向にあることなどが報告された。見えないはずの電波からアジアの現況が浮かび上がってくる。 (藤浪繁雄)
このフォーラムを主催した「アジア放送研究会」(山下透理事長)は、短波ラジオの国際放送を日常的に聞いている愛好者の団体。顔ぶれは、韓国語を専門とする大学講師から日本の放送局の社員までさまざまだ。
今回の発表の中で関心を集めたのが、日本や韓国などからの北朝鮮向けの放送。
山下理事長の報告によると、日本では昨年十月、北朝鮮にいるとみられる拉致被害者向けに短波ラジオ局「しおかぜ」が開局され、被害者家族の手紙を読み上げた。
一方、韓国では、複数の短波ラジオ局が北朝鮮向けに放送している。直接、北朝鮮の政治体制を批判する内容から、最近は市場主義経済の動きを伝えるなど変化もみられる。局の運営には、韓国政府や軍部が関与しているとのうわさもあるとしている。
韓国系の短波ラジオ局をめぐっては最近、米国系の企業・団体が資金を出す例が増加。また、放送施設の提供や番組制作を請け負ってビジネスに結びつけようとする英国企業の動きもある。山下理事長は「人権や拉致など、北朝鮮の諸問題が国際的な関心事になったことが大きい」とみている。
北朝鮮国内におけるデジタル機器の普及状況は分かりにくく、諸外国から北朝鮮に向けた放送としては、音質は悪くても確実に遠くまで伝わる短波が有効なようだ。
ただ、こうした放送に対する妨害電波の発信も活発化。「しおかぜ」の場合、五月から妨害に遭って受信不能状態になった。七月から周波数と放送時間の変更を余儀なくされるなど関係者も頭を痛めているという。
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フォーラムでは、短波放送やNHKの国際放送のあり方についても討論した。
NHKでは十月から、短波ラジオによる国際放送を、二十二言語から十八言語に縮小する方針。今後、海外に滞在する日本人向けの放送は、テレビに軸足を移すとみられる。
短波ラジオの国際放送については、イギリスのBBCが縮小するなど、聴取者の減少から“短波離れ”は世界的な傾向。NHKもこの潮流に乗っているといえるが、参加者からは、「とんでもない。日本の情報を安価に得るには、短波ラジオは絶対必要」「宿泊施設によってはNHKのテレビを受信しない」といった反対意見が続出した。
参加者たちは、「日本人も海外に行く際は、(短波)ラジオを持参しよう」などと述べ、それぞれがNHKの短波縮小路線に歯止めをかけるよう活動していくことを確認した。

