週刊誌「偽ドル製造」特集で工学部出身者の存在指摘 | trycomp2のブログ

週刊誌「偽ドル製造」特集で工学部出身者の存在指摘

 群大工学部応用化学科を1969年(昭和44年)に卒業して1年もたたずに行方不明になった横田道人さん=当時(23)=が話題になっている。先週発売された「週刊新潮」(3月9日号)の特集記事「元NHK手嶋龍一氏が暴いた北朝鮮『偽ドル』闇ルートと『7人の拉致印刷工』」に、この7人と同時期に行方不明になったとして実名で取り上げられている。紙幣印刷に必要な亜鉛版の技術にたけた技術者として紹介されていて、拉致されて偽ドル製造に関与させられているのでは、という衝撃的な内容だ。横田さんは1年半ほど前に、特定失踪(しっそう)者の一人として実名と顔写真が公表されており、工学部啓真寮(桐生市天神町三丁目)で一緒に暮らしたという同級生も今月下旬発行予定の同窓会報「群馬大学工業会報」に情報提供を呼びかける文章を掲載する準備をしている。

 NHKワシントン支局長も務めた手嶋氏は、記者時代に集めた情報をもとに偽ドルをテーマにした小説「ウルトラダラー」を新潮社から今月1日に発刊。民放のテレビ番組でも取り上げられ、“小説という形を取っているが多くは真実では”と話題を呼んでいる。桐生をはじめ、県内の書店ではほぼ売り切れ状態。

 週刊新潮はこの本の中身を取り上げた特集記事を3ページで展開。その中で横田道人さんを亜鉛精錬の技術者として紹介し、「失踪する理由はまったくなかった」とする群馬県内に住む親族の話などを載せている。

 北朝鮮による日本人拉致問題について活動している特定失踪者問題調査会(荒木和博代表)が横田さんを特定失踪者として公表したのは2004年9月17日。それによると、工学部を卒業した横田さんは安中市にある東邦亜鉛に就職。70年1月27日午後7時半ごろ、給料日のこの日、横田さんは安中市内の電器店でステレオの月賦を支払ったあと行方不明になった。帰宅するためにバス停でバスを待つ横田さんを電器店の店主が見たのが最後で、その後の手がかりはないという。横田めぐみさんや曽我さん母娘、地村さん夫妻らが拉致される7年以上も前のことだ。

 特定失踪者問題調査会と同調して活動している県内団体の「横田夫妻ら拉致被害者家族を支援する群馬ボランティアの会」(前橋市、大野敏雄事務局長)は、公表後、横田さんの写真と略歴、失踪時の様子をホームページに掲載するなどして情報提供を呼びかけている。今月22日には高崎市内のスズラン百貨店で「めぐみちゃんと家族のメッセージ 横田滋写真展」を開くが、こうした行事などを通じて横田道人さん失踪についても関心を高めてもらいたい、としている。

 また、これとは別に、横田道人さんの工学部時代の同級生が情報提供を呼びかけ始めた。学生寮「啓真寮」で2年間を一緒に過ごしたという田中勝夫さん(60)=前橋市南町=。学科は違うが、同じ寮生というだけでなく、当時流行していたジャズバンド仲間だったという。

 「ダンスパーティーなどで演奏する4人組のバンド。彼はギター、私はサックス。彼は学業は優秀だったし、東邦亜鉛に入ってすぐに亜鉛の処理法で社長賞を取ったくらい」

 田中さんは「卒業後、私は県外に就職したので、彼の失踪したのを知ったのは2、3年経ってから。当時は拉致なんて知らなかった」と振り返りつつ、「われわれも還暦を迎えるし、関心を持ってもらいたくて」と群大工学部の同窓会報(約1万5千部、年2回発行)に情報提供を呼びかける文章を投稿した。同誌を発行する群大工業会では、それを掲載する準備をしている。今月27日ごろから会員のもとに届くという。

 横田さんが桐生にいたのは1960年代後半。関心を持つ人、情報提供は「横田夫妻ら拉致被害者家族を支援する群馬ボランティアの会」(電・ファクスとも027・243・4237)へ。

[Web Kiryutimes]きょうの夕刊:2006年3月10日