金融制裁へ資金リスト 北朝鮮ミサイル関連、政府が作成方針 | trycomp2のブログ
北朝鮮のミサイル発射問題で安倍官房長官は18日、「安保理決議を受けて、金融資産の移転規制に関する必要な措置を適切に実施していく」と語り、金融制裁を発動する考えを示した。当面は核やミサイル資金に関係する個人や企業の「ブラックリスト」の作成から始める方針。ただ、制裁の効果は「有志連合」の輪をどこまで広げられるかにかかっている。
●送金停止・資産凍結狙う
国連安保理が15日に採択した北朝鮮非難決議は、国連加盟国に対して北朝鮮のミサイルや大量破壊兵器(WMD)に関連する「資金の移転の防止」などを求めている。
決議を受けて政府は16日、外務省や財務省など関係省庁の課長級による会議で「ブラックリスト」作成の方針を確認した。関係国とも情報交換しながら、北朝鮮のWMDに携わった可能性のある企業や個人の洗い出しを進める。外務省がリストを告示し、財務省が送金停止や資産凍結の金融制裁を発動し、各国にも同調を呼びかける手はずだ。
北朝鮮に対する送金停止などの金融制裁では、「カネには色が付いていないので、どれがWMD資金なのが区別が難しい」(内閣官房幹部)という難点がある。政府は北朝鮮の資金の流れの全容を把握していない。ブラックリストを作成するのは「特定の企業、人を決め、そこに流れる関連資金を止める」(経済官庁幹部)やり方しかないからでもある。
外為法では、北朝鮮向けの送金は3千万円相当額以下、北朝鮮への現金の持ち出しは100万円相当額以下で、それぞれ報告・届け出の義務が免除される。財務省令の変更で、この基準額の一律引き下げも可能だ。ただ、「すべての人が対象になり、ミサイル開発などの資金を封じるという国連決議の趣旨に沿わない」(政府関係者)として実施しない方針だ。
経済官庁関係者によればリスト作成にあたっては、米国が05年に大統領令で在米資産の凍結を決めた北朝鮮の貿易会社や銀行など十数社を参考にする予定だ。いずれもWMD開発などに関与している疑いがあるという。
リストが完成し、政府が外国為替法による金融制裁を発動できるのは、外交努力も含め「早くても1カ月後」(内閣官房幹部)との見方もある。
●「有志連合」どこまで
政府は国連安保理メンバー国を中心に金融制裁への協力を呼びかける。すでに米国は事実上の金融制裁を実施しており、「日米」以外にどこまで連携の枠組みを広げていけるかが焦点になる。
制裁の効果を高めるためにも、国際的な協力が不可欠だ。例えば日朝間のカネの移動は減少傾向にある。財務省によると05年度は貿易による支払いを除くカネの移動は30億4300万円。単純比較できないが、00年度より約3割減っている。
安保理決議を受けた経済制裁は通常、国連に制裁委員会を設置してリストをつくるが、今回の決議は国連憲章第7章への言及もなく政府は委員会が設けられないと判断。「有志連合」方式での制裁を検討していく。連携を進める米国は、特定の資金が兵器に使われているかどうかを把握しているとされる。独自の情報を持っている可能性がある欧州連合(EU)や、北朝鮮と国交を持つ国々にも参加を要請する方針だ。
ただ、北朝鮮の友好国の中国やロシアから協力を得るのは容易ではない。安倍官房長官は18日の会見で「国連決議はすべての加盟国に拘束力があると認識している」と強調したが、ロシアは決議について「拘束力はない」。韓国も北朝鮮を経済的に支援しており、これらの国々が制裁に同調しないと実効性を伴わないとの指摘もある。
政府内には、北朝鮮の出方を見た上で実施の時期や内容を判断すべきだとの声もある。麻生外相も18日の会見で「北朝鮮の対応を見たうえでないと(いけない)」と語った。
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◆検討中の外為法による主な追加的金融制裁
(1)資産凍結
リストに掲載された人物や法人の口座などを凍結
(2)送金停止
リストに掲載された人物、法人への送金を停止
(3)貿易全面禁止
すべての品目で直接の輸出入を禁止
(4)輸出禁止
品目を定めて禁止
(5)輸入禁止
品目を定めて禁止
(6)技術移転など役務の輸出禁止
役務の種類を定めて禁止
asahi.com :朝日新聞今日の朝刊-政治面
