ゼーリック氏を世銀総裁に指名…米、国際協調を重視
【ワシントン=矢田俊彦】ブッシュ米大統領は30日記者会見し、ポール・ウォルフォウィッツ世界銀行総裁の後任に、ロバート・ゼーリック前国務副長官(53)を指名すると発表した。
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米通商代表部(USTR)代表などを経験し、国際社会に「顔」の利く人材の起用で、世銀トップの求心力を早期に回復させたい考えだ。
ブッシュ大統領は、ゼーリック氏について「国際主義者で世界のリーダーから信頼と支持を得てきた」と述べた。ゼーリック氏は「(貧困国の撲滅という)世銀の目的を果たすため、多くの国の意見を聞くつもりだ」と、途上国などの声に耳を傾ける姿勢を示した。
ウォルフォウィッツ総裁の辞任の背景には、交際女性への厚遇問題に加え、「側近」を重用するなど運営手腕に対する内部からの強い不満もあった。米国のイラク進攻を理論的に主導したネオコン(新保守主義)派の中心的人物だったことから、特に欧州勢の反発が強かった。
一方、ゼーリック氏は、共和党内でも穏健派に位置づけられ、国務副長官時代には対中政策を担い、中国の信頼も厚い。また、米財務省や米投資銀行大手ゴールドマン・サックスで金融分野を経験しており、2年前にも世銀総裁候補に浮上した経緯がある。
現在の世銀は、貧困の撲滅など、開発途上国への資金支援が中心的な活動で、この分野でのゼーリック氏の手腕は未知数だが、世銀内には「無難な選択」との声も聞かれる。
世銀理事会は29日、「国際協調への強い決意と政治的中立が不可欠だ」と、次期総裁に求める資質についての声明を発表した。
理事会はゼーリック氏を承認する見通しだが、承認にあたっては、ゼーリック氏から運営方針などについて細かく意見聴取をする方針だ。
(2007年5月31日1時39分 読売新聞)
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