「よど号」妻2人に拉致容疑 逮捕状請求へ
80年に欧州で失跡した札幌市出身の石岡亨さん(失跡当時22)と熊本県出身の松木薫さん(同26)が北朝鮮に拉致された事件で、警視庁公安部は、日航機「よど号」ハイジャックメンバーの妻2人について、結婚目的誘拐容疑で13日に逮捕状を請求する方針を固めた。逮捕状を取得し次第、国際手配する。
逮捕状を請求するのは、田宮高麿元幹部の元妻の森順子(よりこ)(54)、若林盛亮容疑者(60)=国外移送目的略取容疑などで国際手配=の妻佐喜子(52)=旧姓黒田=の両容疑者。2人はすでに旅券法違反容疑で国際手配されている。
同部は今年になって関係者から得た新たな証言などから、石岡さんらがだまされて北朝鮮に連れて行かれ、帰国の自由を奪われたと判断。同部は、83年に失跡した神戸市出身の有本恵子さん(失跡当時23)の事件と合わせ、よど号メンバーらの関与の解明を進める。
調べでは、森、若林佐喜子両容疑者は80年5月前後にスペイン・マドリードから石岡さんと松木さんを誘い、北朝鮮に連れて行った疑いが持たれている。
松木さんらは同年4月ごろマドリードで両容疑者と知り合ったとみられる。石岡さんは当時、スペイン・バルセロナの動物園で、両容疑者と一緒に撮った写真が残っている。その後、両容疑者が2人をオーストリア・ウィーンに誘ったとの証言がある。同年6月、石岡さんがウィーンから日本の家族に手紙を送ってきた。
よど号メンバーの元妻が帰国後の02年、「森容疑者から、『観光旅行名目で、2人の日本人男性を連れてきた』と聞いた」と証言していた。
公安部は今年2月になり、松木さんが日本出国前まで交際していた女性から、「『1年後に帰国したら結婚しよう』と言われていた」との証言を得ていた。当時、北朝鮮は「代を継いだ革命」を掲げており、結婚させて子どもをもうけさせる目的だったとみている。
よど号グループは03年に出した見解で「石岡さんは旅の途中で偶然会った。松木さんとは接点がない」と主張している。
北朝鮮は02年、石岡さんと松木さんの入国は認めたが、「合意の上で入国した」と主張。88年11月に石岡さんと有本さんが死亡、松木さんも96年に死亡したと日本側に説明している。
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