ふんえんワイド’07回顧:スーパー市川 /鹿児島
鹿屋市輝北町の「スーパー市川」が閉店し、店舗が取り壊された。店番をしていたのは市川トミさん。91歳になった。北朝鮮に拉致された市川修一さんのお母さんだ。23歳の夏、こつ然と消えた我が子の無事と帰国を祈り、29年間じっと待ち続ける。
次男修一さんは54(昭和29)年10月生まれ。誕生の年に家族で経営する「市川商店」が開店した。78年、「スーパー市川」に新装し、7月29~31日の開店セールでは、修一さんもレジを手伝った。大忙しの中、家族の会話も弾んだ。
だが、幸せもつかの間、8月12日に吹上浜海岸から拉致される。「セール最終日が修一を最後に見た日になった」と長男健一さん(62)。長い苦悩と闘いの始まりの日にもなった。
以来、トミさんは過疎化と大型店進出のあおりを受けながらも店を守り、修一さんの帰りを待った。
しかし、トミさんの夫平さん(92)は2年前から体調を崩しがち。健一さんも拉致家族会の活動で県内外を飛び回る日々。留守をあずかるトミさんも足腰が弱り、体力も限界にきていた。
9歳下の修一さんをおぶって遊んだ健一さん。「ぼくたちを大きくしてくれた店がなくなるのはやっぱり寂しいよ」
新築する家には、修一さんの部屋も造る。修一さんが初月給でトミさんにプレゼントした大島紬(つむぎ)をしまったタンスも一緒に、引っ越しする。
12月20日朝刊
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