スクープ撮影! 中朝国境に“脱北防止”鉄条網
北朝鮮が中朝国境に長大に設置した鉄条網を、カメラがとらえた。11月末に国境地帯を調査した山梨学院大の宮塚利雄教授夫妻が中国側の山から撮影に成功した。金正日政権が脱北問題を目に見える形で認めたことになる。宮塚教授は“脱北防止フェンス”について、北京五輪を前に脱北問題に神経をとがらせる中国への配慮の意味合いが強いとみている。
宮塚夫妻が中国・丹東郊外で、万里の長城の最東端として知られる「虎山長城」山頂から撮影した。宮塚教授は鴨緑江上流地域でも鉄条網を確認しており、鴨緑江と豆満江に沿って1400キロに及ぶ国境のうち、川幅が比較的狭く、これまでも頻繁に脱北や密輸が行われていた地点に設置、「数十キロはあり、電流を流している個所もあるのではないか」と推定する。
中国側は昨年9月以降、中朝国境に高さ約2メートルの有刺鉄線を設置していた。五輪を控えた中国にとって、これ以上、脱北者の入国を許し、取り扱いをめぐって海外から人権侵害を指弾されるわけにはいかないからだ。
北側は今年8月以降、川を隔てこれに対面する形で鉄条網を設置し始めた。高さはほぼ同じだが資材不足からか、有刺鉄線ではなく、針金を通しただけのものだという。
脱北者の多さを自ら認める形になるにもかかわらず、北があえて鉄条網を設置した意図を、宮塚教授は「中国の有刺鉄線設置を脱北問題への圧力と受け取った北朝鮮が『その筋合いはない。ちゃんとやっている』とアピールした」とみる。
脱北や密輸阻止にどれほど有効なのか。
宮塚教授は「物理的に脱北が難しくなるうえ、与える心理的圧迫も相当大きい」と分析。ただ、北の闇市場に並ぶ商品の半分以上が中国製品とされ、中国からの密輸なしに人々の生活が成り立たない現状では、「船を使ったり、警備兵にワイロを使ったりする密輸が絶えることはない」と指摘している。
ZAKZAK 2007/12/14
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