6者協議、駆け引き活発化へ くすぶるヒル氏の訪朝説 | trycomp2のブログ

6者協議、駆け引き活発化へ くすぶるヒル氏の訪朝説

 北朝鮮の核問題は、北京での6者協議で初の共同声明が採択された後も、米朝の駆け引きが続いている。非核化への具体的な協議を急ぎたい米国。軽水炉提供前の核放棄を拒む北朝鮮。1カ月後に開かれる予定の次回協議は、かなり厳しい交渉になる見通し。事態打開策の一つとして注目される米首席代表、ヒル国務次官補の訪朝説もくすぶったままだ。

 「(前回協議で合意した)原則だけでも難しかったが、(次回から)具体的な措置を話し合うのはさらに困難になる」。ヒル氏は4日、ワシントンでの記者会見で今後の見通しを語った。

 同氏は北朝鮮の核放棄が先決との考えを改めて示す一方、「北朝鮮は敗戦国ではない」とも発言。核放棄は北朝鮮の自発的な取り組みだと強調して、プライドの高い北朝鮮側への配慮をにじませた。また、前回協議以降に米朝が接触したことも明らかにした。

 北朝鮮の外務省報道官は前回の協議が終わった翌日の9月20日、「米国が軽水炉を提供次第、核不拡散条約(NPT)に復帰する」とする声明を出した。

 前回協議の閉会式で日米韓は「軽水炉の議論は核放棄後」と言明したが、共同声明には「軽水炉」の文言が入った。「北朝鮮が軽水炉をまず提供しろと言い出すのでは」(ライス国務長官)という米国の最大の懸念は、すぐに現実のものとなった。

 22日には国連総会のためにニューヨークを訪れていた北朝鮮の崔守憲(チェ・スホン)・外務次官が、核放棄と軽水炉提供を同時に進めるべきだとの考えを示唆した。「先に核を放棄することはない」との立場は維持したままだ。

 軽水炉以外でも次回協議では難題が山積している。米政府は、北朝鮮による核兵器や核計画の申告がカギとなると位置づけており、北朝鮮が存在を否定する高濃縮ウラン(HEU)についても取り上げる方針。しかし、いずれも北朝鮮の反発は避けられそうにない。

 そうした局面を打開する案としてささやかれるのがヒル氏の訪朝だ。

 ヒル氏がもし訪朝すれば、金正日(キム・ジョンイル)総書記により近い高官との接触も可能との期待が高い。体制の保証を図るため米国と協議し続けたい北朝鮮も「核問題解決のためなら歓迎する」(崔次官)と秋波をおくる。

 当のヒル氏は「ライス長官らと協議する」と思わせぶりな発言をしたかと思うと、「内部での協議に時間を割いてきた。出張の日程は固まっていない」と言葉を濁すなどはっきりしない。

 だが、米国の北朝鮮への不信感は依然として強く、「6者協議の枠組み維持のために合意したに過ぎず、ブッシュ政権は共同声明を評価していない」(関係筋)との声が出るほど。成果が確実に得られるとの相当な手応えがなければ、実際にヒル氏が訪朝するのは難しいとみられる。

 米国の専門家の間には「ヒル氏は実際に訪朝するつもりはなく、北朝鮮に前向きなメッセージを送っているだけ」という冷めた見方もある。


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