平壌宣言4周年 次期政権、対北包囲網どう構築 | trycomp2のブログ
小泉純一郎首相が北朝鮮を電撃訪問し、金正日総書記と日朝平壌宣言を交わしてから、17日で丸4年を迎えた。訪朝をめぐる評価は今も分かれたままだが、金総書記が拉致事件を謝罪し、拉致被害者5人とその家族が帰国できたことは一定の成果といえる。次期首相就任が有力視される安倍晋三官房長官は対北朝鮮強硬派とされ、「対話」より「圧力」を重視しながら拉致事件解決の糸口を探る構えだ。
平成14年9月17日。小泉首相とともに平壌入りした安倍氏は、午前の首脳会談後、「北朝鮮が拉致を認め、謝罪しないなら席を立つべきだ」と首相に強く促した。日本側の強い姿勢を知った金正日氏は、午後の会談で拉致を認め、謝罪したため、最終的に両首脳は平壌宣言に署名した。
しかし、外務省の田中均アジア大洋州局長(当時)らがまとめた宣言は、植民地支配に対する謝罪と補償が中心で、拉致事件には触れていない。拉致や核問題を棚上げにして、早期に国交正常化を果たしたいという思惑が透けて見えるだけに、安倍氏には納得しがたい内容だった。
平壌宣言に対する安倍氏の思いは複雑だが、国交正常化による多額の援助を武器に金総書記を交渉のテーブルにつかせた宣言の意義は十分理解している。小泉首相の訪朝で、拉致は「疑惑」から「事件」に変わり、北朝鮮が生存を認めた拉致被害者5人とその家族の帰国が実現した。平壌宣言が日朝交渉を継続するための唯一の「証文」であることは間違いない。
このため、安倍氏は、北朝鮮が今年7月に弾道ミサイルを連続発射した際も「平壌宣言の違反は明白だ。大変な憤りを感じる」と述べたが、宣言の「無効」「破棄」には踏み込まなかった。
一方で、安倍氏は周囲に「北朝鮮に融和的に接しても要求をエスカレートさせるだけだ。圧力があってこそ対話の扉を開く」と語っている。安倍氏を批判する勢力は「強硬措置は北朝鮮の暴発を招きかねない」と主張するが、安倍氏は「金総書記は暴発すれば政権が崩壊することを理解している。おいしいエサをぶら下げた平壌宣言を一方的に破棄することはない」とみる。
このため、安倍氏は、北朝鮮が核や拉致で譲歩しない限り、ミサイル発射に対する国連安全保障理事会の非難決議を受けた追加制裁を発動する考え。マネーロンダリング(資金洗浄)対策強化のための「犯罪収益流通防止法案」や「北朝鮮金融制裁法案」など、新たな経済制裁法成立にも前向きだ。
ただ、横田めぐみさんら残された拉致被害者の安否はまだ分かっておらず、拉致事件の膠着(こうちゃく)状態が続くことは、次期政権にとっても痛手となる。拉致事件をめぐる国際的な北朝鮮包囲網をどう構築するかが、今後の大きな課題になる。
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【用語解説】日朝平壌宣言
平成14年9月17日に北朝鮮を初訪問した小泉純一郎首相と金正日総書記が署名した。日本が過去の植民地支配を謝罪する一方で、日朝双方が財産・請求権を放棄することを確認。日本は国交正常化後に円借款や無償資金援助などによる経済協力を約束した。拉致事件について直接的な表現はなく、「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題」との表現で、北朝鮮が再発防止へ「適切な措置をとる」とした。このほか、(1)核問題解決のためすべての国際的合意を順守(2)核・ミサイルを含む安全保障上の問題解決(3)北朝鮮はミサイル発射凍結を15年以降も延長?を明記した。
<産経新聞>
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