日朝作業部会:「過去の清算」問題も協議 議論は平行線
【ウランバートル中澤雄大、西岡省二】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の日朝国交正常化作業部会が5日、モンゴルのウランバートルで2日間の日程で始まり、拉致問題や日本の植民地時代の「過去の清算」問題を協議した。「過去の清算」について日本は、02年の日朝平壌宣言に基づく「一括経済協力方式」での解決を主張。これに対し北朝鮮は、戦時下の強制連行や従軍慰安婦などへの補償を求め、議論は平行線だった。
日朝両政府は冒頭、初日に「過去の清算」問題を優先的に議論し、拉致問題は6日に本格協議することを確認。美根慶樹・日朝国交正常化交渉担当大使は「『過去の清算』をするにしても、拉致問題の解決が必要だ」と述べ、拉致問題と「過去の清算」を並行して解決することを目指す考えを示した。
一方、宋・日朝国交正常化交渉担当大使は拉致被害者5人とその家族の帰国などを挙げ「これまで一定の措置を取ってきた」と主張。拉致問題解決に向けた北朝鮮の「努力」を強調した。ただ宋大使は「拉致問題は解決済み」という従来の表現は使わなかったという。
「過去の清算」について美根大使は「両首脳間で経済協力方式で解決するという合意がある。この原則に基づいて具体的に解決を図ることが重要だ」と述べ、02年の日朝平壌宣言に基づき、北朝鮮が賠償請求権などを放棄する代わりに日本が経済支援する「一括経済協力方式」での解決を主張した。
これに対し宋大使は「日朝平壌宣言の精神にのっとる」としつつも「人的・物的・精神的な被害」に言及。戦時下の強制連行や、いわゆる従軍慰安婦などへの補償を改めて求めた。
美根大使は会談後「かなりじっくりと議論ができた。互いの理解を深める上で有意義な意見交換だった」と記者団に述べ、北朝鮮の姿勢に変化が生じたことを強調。「過去の清算」をめぐる認識の違いについても「先方の考えには我々と少し違うと感じることはあるが、少なくとも物別れになるということではなかった」と前向きな受け止めを示した。
毎日新聞 2007年9月5日 21時18分 (最終更新時間 9月6日 0時10分)
日朝作業部会:「過去の清算」問題も協議 議論は平行線-北朝鮮の動き:MSN毎日インタラクティブ