電撃初訪朝は攻めか焦りか ヒル米次官補 | trycomp2のブログ

電撃初訪朝は攻めか焦りか ヒル米次官補

北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の米首席代表を務めるクリストファー・ロバート・ヒル(Christopher Robert Hill)国務次官補が21日午前、北朝鮮の平壌に向け日本を出発、午後0時半(日本と時差なし)ごろ、到着した。22日昼までの滞在中、金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官ら北朝鮮側の政府高官と会談する予定。6カ国協議筋によると、8月にマニラで6カ国の外相会合を開き、今後の北朝鮮の核放棄に向けた取り組みを盛り込んだ共同声明を発表するための事前協議が目的という。

■味方も欺く?

 まさに、電撃訪問だった。
 ヒル次官補は、15日からモンゴル、中国、韓国、日本を歴訪し、「21日にはワシントンに戻らなければならない」と強調してきた。20日午前になって、日本出国の1日延期を公表したものの、夜には神宮球場へプロ野球観戦に出かける“余裕”ぶりをみせていた。
 ところが、21日午前7時すぎ、滞在していた都内のホテルを出発したヒル次官補は、成田空港には向かわず米軍横田基地へ。軍用機に乗り、韓国経由で北朝鮮へ飛び立った。
 AP通信によると、平壌に到着したヒル次官補は、「6カ国協議のプロセスを継続し、遅れた時間を取り戻したい」と語った。滞在中には金正日(キム・ジョンイル)総書記の側近で北朝鮮外交の中心的存在の姜錫柱(カン・ソクジュ)第1外務次官とも会うとみられる。22日午後にソウル、東京と移動し、日韓両政府に協議結果を報告する。

■「6カ国」地ならし

 米国としては6カ国による協議を再開し、8月上旬にマニラで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の場で、外相会合を開催する運びにしたいとのねらいがある。
 ただ、ヒル次官補は北朝鮮による核施設の稼働停止・封印という初期段階措置の履行後ではなく、その前に訪朝した。ヒル次官補の「焦りの表れ」(6カ国協議筋)ともいえ、今後の交渉で北朝鮮に主導権を握られる懸念もある。
 ちなみに、米政府高官の訪朝は、2002年10月のケリー国務次官補(当時)以来。ケリー次官補の訪朝では、米側は訪朝後に北朝鮮がウラン濃縮計画の存在を認めたと公表、その後の核危機のきっかけとなった。
 ヒル次官補の訪朝に先立ち、コンドリーザ・ライス米国務長官が21日午前、麻生太郎(あそう・たろう)外相に電話した。麻生外相は、(1)日本は日朝平壌宣言にのっとり日朝国交正常化を実現する用意がある(2)北朝鮮が拉致問題を含む日朝関係に正面から取り組むことを期待している-を北朝鮮に伝えるよう要請。ライス長官は「ヒル氏は、間違いなく日朝関係についても提起する」と確約した。日本側には、拉致問題が置き去りにされかねないことへの戸惑いが見え隠れする。

 【クリストファー・ヒル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)】 1952年生まれ。米メーン州ブランズウイックのボードイン大卒。国務省に入省後はベオグラード、ワルシャワ、ソウルなどで勤務。駐マケドニア大使、国家安全保障会議の南東欧州部の上級部長などを経て、2000年7月から04年7月まで駐ポーランド大使。8月駐韓国大使に就任。05年2月に6カ国協議の首席代表に任命され、4月から現職。(共同)

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