苦境の総連 民団助け舟 南北の融和意向反映 竹島問題で対日共闘も | trycomp2のブログ

苦境の総連 民団助け舟 南北の融和意向反映 竹島問題で対日共闘も

 在日本大韓民国民団(民団)と在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)のトップ同士が17日に会談し、南北の融和が日本国内でも一気に加速する可能性が出てきた。和解に向けた歴史的な一歩を踏み出すことになる。半世紀以上の対立を超えた民族の「大同団結」。組織の統一に向けて在日の期待は高まるが、唐突にも見える歩み寄りの背景には、双方の思惑も見え隠れする。

 「同じ民族が和解するのは歴史の流れでしょう」。北京の北朝鮮関係者は、朝鮮総連と民団が和解することについて「当然」と受け止めた。

 北朝鮮は2000年の南北首脳会談で共同宣言が署名された6月15日を「わが民族同士の日」として、南北だけでなく在外同胞も巻き込んだ記念日として位置付けている。今年6回目となる記念日の政治的意義を高めるため、和解を最大限利用するとみられる。

 もともと両組織は2000年の南北首脳会談を契機に接近を強めたが、02年9月の第1回日朝首脳会談で北朝鮮が日本人拉致を認めて謝罪し、拉致問題をめぐる北朝鮮への厳しい世論が高まったことで和解の勢いは一時後退した。

 しかし日本の公安当局によると「地方組織や下部機関では、新年会や文化行事の交流などを続けてきた」という。ある公安当局者は「演出めいているかもしれない首脳部レベルでの和解も十分にあり得るとみていた」と明かす。


▽生き残り

 朝鮮総連は朝鮮学校などの組織を持ちながら、北朝鮮の経済低迷や拉致問題で勢力が弱体化。苦境が続く朝鮮総連は、民団との融和で生き残りを目指すしかなかった。「朝鮮総連は存続の危機もささやかれている。この苦しい状況を助けてほしいとの要請が水面下で民団に入っていた」(韓日関係筋)

 民団にも朝鮮総連に接近したいとの事情があった。和解を打ち出すことによって、国内最大の在日団体としてアピールする狙いだ。

 警察庁幹部は「直接的には今年2月、民団執行部が、本国の現政権に近い態勢になったのが大きい」と分析する。民団内部で、和解に向けた下地が徐々にできつつあったという。在日韓国大使館筋も和解を支持しているとされ、本国の意向を受け、民団側が朝鮮総連側に歩み寄ったとの見方もある。

 韓国政府関係者は「民団は新執行部として前任者と違う点を見せたかった。当面の目的は6月15日に光州で開かれる南北共同宣言記念式典に、在日代表として出席することだ」と解説する。


▽揺さぶり

 今回の和解が日本の外交政策に何らかの影響を与えるのか。外務省幹部は「関係改善がされたとしても基本的には『国内問題』」とみる。しかし警察庁のある幹部からは「今後、北朝鮮が横田早紀江さんの大統領面会など拉致問題で連携を強化している日米関係に対抗する姿勢を強めるだろう」と警戒する声も。

 竹島(独島)領有権をめぐり、北朝鮮は「わが民族の固有の領土」と主張している。韓国と北朝鮮、そして朝鮮総連、民団が一体となって日本に領有権を主張した場合、日本は外交交渉でさまざまな揺さぶりに直面することも予想される。

=2006/05/17付 西日本新聞朝刊=
2006年05月17日01時32分
西日本新聞 / 社会 [苦境の総連 民団助け舟 南北の融和意向反映 竹島問題で対日共闘も]