北朝鮮は真摯に対応せよ 国連人権報告 | trycomp2のブログ
国連がこのほど発表した「北朝鮮の人権状況に関する報告書」が、暗礁に乗り上げかけている日本人拉致問題解決への糸口になるかもしれない。
同報告書は拉致問題について、生存している拉致被害者の帰国を求める日本の主張に迅速に回答するよう促し、安否不明者(の消息)に関する北朝鮮の主張にあいまいさや矛盾点があることを指摘して、信頼できる客観的根拠を示すよう北朝鮮に勧告している。
言い換えれば、生存している拉致被害者の即時帰国や、横田めぐみさんら安否不明者の消息の科学的調査に基づく説明を早急に行うよう、国連として北朝鮮に強く求めているのである。
北朝鮮の拉致問題へのあいまいで矛盾する、これまでの対応については「言語道断」と厳しく非難している。
この報告書は、国連人権委員会が任命したタイのチュラロンコン大学教授、ピチット・マンターポーン氏が特別報告として調査し、提出した。
北朝鮮の人権状況について、食糧不足による子どもの栄養不良や、政治・思想犯やその家族に対する拷問や迫害、犯罪者収容施設などでの女性への暴力など、その過酷な実態を指摘し改善を求めるとともに、拉致問題についてとくに一章を割いて報告している。
日本人拉致問題が国連の公式文書でここまで踏み込んで取り上げられたことはない。拉致問題が北朝鮮の不誠実な対応で未解決になっていることを国際社会に広く知らしめるという点で、日本にとって報告の意義は大きい。
報告書は開会中の国連総会に既に提出されており、三日から人権問題を討議する総会第三委員会で審議される。
日本人拉致問題が国連で本格的に審議の対象となるのは初めてであり、日本にとっては、拉致問題の非人道性や北朝鮮の卑劣さを国際社会に訴え、問題解決の進展を図る好機ととらえたい。
国連の審議では、日本はこの問題が北朝鮮という国家による犯罪で、重大な人権侵害事件であることを細かく訴え、委員会決議を行って北朝鮮に問題解決責任を迫るよう強く主張すべきである。
北朝鮮は「拉致問題は解決済み」として、日本が求めている今後の拉致調査を拒否している。十月中の再開で合意している日朝政府間協議でも、これまでの解決済みとの主張を繰り返し、拉致問題を主議題にする考えはないようだ。
だが、北朝鮮のこうした主張は今回の国連報告書で根拠のないものだと退けられた。日本だけでなく国際社会に到底受け入れられない主張であることを、北朝鮮は真摯(しんし)に受けとめ、拉致問題の解決を自ら決断すべきだ。そうしなければ、北朝鮮は国際社会で孤立する。
日本も、この報告書をてこに北朝鮮に拉致被害者の早期帰国などを決断させる「国際包囲網」を築く好機である。
西日本新聞 The Nishinippon WEB
