日米の協力強化に期待高まる 米大統領と面会 | trycomp2のブログ
「面会は大きな力になる」「一日も早い被害者の救出を」。訪米中の横田早紀江さん(70)とブッシュ米大統領との面会について、国内にいる拉致被害者の家族らは高く評価した。北朝鮮を包囲するための国際的な連帯に向けて、日米の一層の協力関係の強化につながるとの期待も高まった。【津島史人、岸本悠、谷本仁美】
「今回の訪米は我々が積み重ねてきた行動の一つの成果」。拉致被害者の有本恵子さんの父親の明弘さん(77)は、神戸市長田区の自宅で、今回の訪米期間中の米国側の対応を喜んだ。母親の嘉代子さん(80)も「人権を重んじる米国が関心を持ってくれたことはうれしいし、良い傾向」と笑顔をみせた。
ブッシュ大統領と早紀江さんの面会について、嘉代子さんは「日本の首相が私たち家族会とまともに話をしようとしないのに、大統領が会うと言ってくれている。小泉(純一郎)首相はどう思っているだろう。感想を聞いてみたい」と小泉首相の姿勢を批判。そのうえで「(米国で)早紀江さんが思いのたけを語ってくれたことがきっかけで、もっと日本政府も動いてくれれば」と期待を寄せた。【津島史人】
石岡亨さんの兄章さん(51)=札幌市南区=も面会について、「米国は6カ国協議でも北朝鮮とのしがらみが少ないし、影響力の大きい国。その国の大統領が表に出てきてくれるのでしたら心強い」と前向きに評価。その一方で、「米国が出てきたからといって、北朝鮮はすぐに被害者を返してくれるような国ではない。そんなに簡単ならこの3年半、苦労することはなかった」とし、日本政府への対応に期待した。
また、松木薫さんの姉、斉藤文代さん(60)=熊本県菊陽町=は「大統領が会っていただけるということは大いに力をいただけるということ。被害者の早期帰国につながるといいと思う」と話した。
【ソウル堀山明子】今回の面会について、脱北して韓国に亡命、朝鮮日報の記者、姜哲煥(カンチョルファン)さんは「北朝鮮全体の人権問題を積極的に取り組むブッシュ政権の意思表明」と評価する。姜さんは昨年6月、大統領と約40分にわたり面談した。その後、米国政府の脱北者政策に対する関心が高まったと感じるという。
そのうえで、姜さんは「日本社会は今回の会談を契機に、日本人拉致被害者に対する関心をもう一歩広げ、北朝鮮全体の人権問題改善のため国際社会と連携してほしい。それがブッシュ米大統領が日本に投げたメッセージでもあると思う」と語った。
【ワシントン西脇真一】家族会などの訪米は、ブッシュ米大統領と早紀江さんらとの面会でほぼ終わる。メンバーらはこの間、有力議員や政府高官だけでも約20人と面会し、精力的に拉致問題解決への支援を訴えた。米側からは「我々は拉致問題を忘れない」との言葉を引き出し、大統領との面会にまでこぎつけたのは、大きな成果だ。
ただ、米国での一般の人たちの拉致に対する関心は低いのが現状だ。日韓以外の主要メディアで、公聴会証言を取り上げたのはAP通信ぐらい。日本での報道ぶりと比べ、「拉致問題は日朝の問題」とされ、国際的な連携の外に置き去りにされる懸念がある。
家族会などが、昨年来タイやマカオなどを訪れて被害者家族と面談して、「拉致は世界に広がる国際犯罪」と訴えてきた背景には、こうした事情もある。大統領との面会で、米政府の拉致問題への真剣な取り組みが証明された。今後、日本政府のより真剣な取り組みが期待される。
毎日新聞 2006年4月28日 21時54分 (最終更新時間 4月28日 22時16分)
拉致問題:日米の協力強化に期待高まる 米大統領と面会-事件:MSN毎日インタラクティブ
