2児、74年夏に北へ=半年監禁、福井から工作船-海荒れて拉致断念も・警察当局
1973年に失跡した北海道出身で埼玉県上福岡市(現ふじみ野市)の主婦渡辺秀子さん=失跡当時(32)=の子供2人の拉致疑惑で、子供2人が半年余も監禁された後、74年夏に福井県の海岸から工作船に乗せられ、北朝鮮に連れて行かれた疑いのあることが5日、警察当局の調べで分かった。北朝鮮工作員の女(59)が主導した疑いがあり、警視庁と兵庫県警は、北朝鮮にいるとみられる女の国際手配を視野に、国外移送目的略取などの疑いで来週末にも捜査本部を設置する。
調べによると、渡辺さんの夫は在日朝鮮人の工作員で、73年6月、北朝鮮に行き、消息を絶った。渡辺さんは長女敬美ちゃん=同(6つ)=と長男剛ちゃん=同(3つ)=を連れ、夫の勤務先の貿易会社「ユニバース・トレーディング」(東京都品川区)付近で尋ね回っていた。その際、工作員の女が渡辺さんに接触し、「夫はもう帰らない」と告げ、実家の北海道に帰るよう促した。渡辺さんはいったん帰郷したが、再び東京に戻った後、子供2人と失跡した。女工作員の指示で、複数の実行役が目黒区内のマンションで親子を監禁。子供2人は半年余も生活していたという。
同社関係者は警察当局の事情聴取に「車で子供2人を福井県に連れて行き、海岸から北朝鮮の工作船に乗せた」と供述。春ごろにも工作船を使った北朝鮮への移送を図ったが、海が荒れて断念し、結局は74年夏になったという。
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