米国:北朝鮮にテロ指定継続 「解除過程開始へ」は明記--年次報告
【ワシントン笠原敏彦】米国務省は30日、06年の世界のテロの実態をまとめた年次報告書を発表し、北朝鮮やイランなど5カ国の「テロ支援国家」指定を継続した。北朝鮮については今年2月の6カ国協議合意で指定解除へのプロセスを始めることで合意したことを明記した。全体的に、北朝鮮に対する批判が弱められ、核交渉を重視する米国の姿勢がにじんだ格好だ。
昨年1年間のテロの犠牲者は、前年比で40%も増え、2万498人に及んだ。
テロ支援国家指定は、昨年6月にリビアが解除されたため、キューバ、イラン、北朝鮮、スーダン、シリアの5カ国になった。イランについては、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラやイラクの民兵組織などへの支援から「最も重大なテロ支援国家だ」と批判した。
北朝鮮に関する記述は昨年からほぼ半減し、行数で7行にとどまった。その中で「北朝鮮は87年の大韓航空機爆破事件以来、テロ支援は知られていない」と指摘。04年の報告書で初めて明記された日本人拉致問題については「日本政府は被害者とみられる12人の運命について完全な説明を求め続けている」と説明した。
昨年の報告書にあった「他の外国人が拉致されたとの信頼すべき報告もある」「韓国政府は市民約485人が拉致されたと推定している」などの記述は削除された。一方で、北朝鮮の核放棄へ向けた2月の6カ国協議合意で設置された米朝国交正常化作業部会の議題に言及し、「米国はテロ支援国家の指定解除のプロセスを始めることで合意した」と明記した。
世界のテロの犠牲者数内訳は、イラクが全体の65%を占めた。
毎日新聞 2007年5月1日 東京夕刊
米国:北朝鮮にテロ指定継続 「解除過程開始へ」は明記--年次報告-南北アメリカ:MSN毎日インタラクティブ