日朝協議:溝埋まらず 「3協議会設置案」軸にせめぎ合い | trycomp2のブログ
拉致問題の真相究明を迫る日本側に対し、北朝鮮側は解決済みとの姿勢を変えず、日朝政府間対話は拉致問題で平行線のまま、2日間の日程を終えた。両政府は対話継続を確認したものの、拉致問題を最優先課題に据える日本側と、経済協力の獲得を狙って「過去の清算」協議を加速させたい北朝鮮側との隔たりは大きい。今後、日本側が提案した「3協議会設置案」を軸に、協議の進め方をめぐるせめぎ合いが本格化しそうだ。
拉致問題で日本側は、今年4月に新たに拉致被害者に認定した田中実さんを加えた安否不明被害者11人をあげながら、「『白紙』に戻しての徹底調査」を求めたとみられる。これに対し、北朝鮮側は、横田めぐみさんの「偽遺骨」問題などについて従来の主張を展開したようだ。
日本側代表の斎木昭隆・外務省アジア大洋州局審議官は協議後、記者団に、拉致問題で「突っ込んだ意見交換」が行われたと語ったが、ある日本代表団筋は「拉致問題では残念ながら進展がなかった」と肩を落とした。
一方、日本側は今回、北朝鮮を拉致問題の協議に引き込むために、これまで主要議題に取り上げようとしなかった「過去の清算」の議論にも柔軟に対応し、「拉致」「安全保障」と並んで協議会を設置する提案まで行った。北朝鮮側代表の宋日昊(ソンイルホ)外務省アジア局副局長は、3協議会設置案そのものは持ち帰ったが、協議全体は国交正常化交渉に有益だったと評価した。
北朝鮮は「過去の清算」協議について、すでに朝鮮人強制連行や従軍慰安婦、文化財の返還、在日朝鮮人の地位などの問題を取り上げる姿勢を示している。日本の対応を引き出し、早期の経済協力獲得をうかがっている。
仮に日朝合意で3協議会が設置され、「過去の清算」の協議が進んだとしても、政府内に「最終的には拉致問題の解決なくして国交正常化はない」(外務省幹部)から問題はないとの声もある。だが一方で「『過去の清算』の交渉だけが進めば、拉致問題協議の進展は図れない」(政府筋)との警戒感も根強く残る。斎木氏も「どれか一つの協議の場がどんどん進行するのでなく、バランスを取っていくことが大事だ」と強調した。【北京・高山祐】
毎日新聞 2005年11月4日 23時39分 (最終更新時間 11月5日 1時00分)
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