米国務省:対北朝鮮との新政策草案が波紋 | trycomp2のブログ

米国務省:対北朝鮮との新政策草案が波紋

 【ワシントン笠原敏彦】北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議と並行して北朝鮮との平和条約交渉を始める構想を提起したとされる米国務省の政策文書草案が内外で波紋を広げている。ニューヨーク・タイムズ紙は18日、同草案について報じ、米国が「新たなアプローチ」を検討中だと伝えた。米政府当局者は「北朝鮮が6カ国協議に復帰し、核廃棄への戦略的決断を示すこと」が平和条約交渉を開始する前提条件だと強調している。

 米政府高官や外交筋によると、ライス米国務長官の政策顧問であるフィリップ・ゼリコー氏が対北朝鮮政策文書の草案を作成した。昨年9月に6カ国協議で採択された共同声明をいかに履行するかについての提言で、共同声明にある「朝鮮半島の平和体制」の構築に関する項目を含んでいるという。

 タイムズ紙は「(6カ国協議で)核廃棄の努力が継続中でも平和条約交渉を始める」ことが米政府内で検討され、北朝鮮が6カ国協議に復帰すれば「ブッシュ大統領はこの新たなアプローチを承認する見通しだ」と報じた。その一方で、「政治姿勢や人権問題が交渉に含まれれば北朝鮮が応じるかどうかは全く不透明だ」と分析した。

 スノー大統領報道官は記者会見でタイムズ紙報道の真偽について言及せず、「北朝鮮政策に変わりはない」と述べた。マコーマック国務省報道官は平和条約交渉開始の前提条件として、北朝鮮が(1)6カ国協議に復帰し(2)核廃棄の戦略的決断を示す--ことを挙げ、「核廃棄」とそれに対する「見返り」の手順は6カ国協議で交渉されると説明した。

 北朝鮮は朝鮮戦争休戦協定(1953年)に代わる平和条約の締結を米国に求めてきた。外交筋は「米国は平和体制構築の問題を6カ国協議の前進にどう結びつけるかを考えているが、国務省内にも見解の違いがある」と指摘した。

 また、米政府高官は「“ゼリコー・ペーパー”はすでに却下されたはずだ」と説明した。米政権内では6カ国協議の効力を疑問視する強硬派が勢いを増しており、「新たなアプローチ」に慎重な見方も強い。

毎日新聞 2006年5月19日 19時39分 (最終更新時間 5月19日 19時45分)
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