日米首脳 北拉致問題、認識共有のみ 「テロ支援問題」触れず
【シドニー=船津寛】安倍晋三首相は8日、シドニー市内のホテルで行ったブッシュ米大統領との会談で、北朝鮮による日本人拉致事件解決に向け、「実質的な成果を上げるべく、(北朝鮮と)協議を継続していく」と決意を示した。ただ、北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除に向けた米国の動きが注目される中、首相が会談でこの点を大統領にただす場面はなかった。
首相「大統領が最近のインタビューで『拉致問題を忘れない』と再びおっしゃったことを心強く思っている」
大統領「日本の拉致問題に関する敏感さは十分理解している。拉致問題を忘れることは決してない」
会談で話題が北朝鮮問題におよぶと両首脳は拉致問題に関する認識を共有しあった。ただ、北朝鮮のテロ支援国家指定解除問題は取り上げられず、首相は会談後、同行記者団との懇談で「すでに(4月に訪米した際)、キャンプデービッドで詳しく話している」と説明した。
しかし北朝鮮のテロ支援国家指定解除問題は最近急展開を見せている。北朝鮮は6カ国協議の米朝作業部会が終わった直後の今月3日、「米国がテロ支援国家指定解除を行うことになった」と突然宣言。ヒル国務次官補ら米国側は否定したが、今後の北朝鮮による非核化措置の進展次第では拉致問題が置き去りにされかねない懸念が出ている。
それだけに今回の首脳会談では、テロ支援国家解除の要件に拉致問題解決が含まれることを改めて明確にし、問題を「解決済み」とする北朝鮮の主張を封じたいところだった。しかし、テロ対策特別措置法の延長問題など他の懸案が優先される形となり、日米首脳会談に先立って行われた初の日米豪首脳会談では、拉致問題そのものさえ話題とならなかった。
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