解析・北朝鮮核施設:/5止 核廃棄物貯蔵施設 すでに移送?全量把握は困難
北朝鮮の寧辺(ニョンビョン)には数百の建物が存在し、約3000人の科学者、技術者が働く核複合施設と言われる。国際原子力機関(IAEA)は核廃棄物貯蔵施設を最も重視するが、今回の稼働停止・封印対象になっていない。核廃棄物を分析すれば、プルトニウムの抽出時期や総量が推定できる。このため、北朝鮮側が外したとみられる。
核廃棄物施設は再処理施設周辺に2カ所あり、偵察衛星からの監視を避けるため、いずれも偽装が施されている。北朝鮮は92年9月、一部施設の立ち入りを認めたものの、その後は「軍事施設のため許可できない」とIAEAの要求を拒否、93年以後はプルトニウム抽出時期を把握する上で重要となるサンプル採取もできていない。
さらに03年以後、再処理施設に「変更」が施されていたことがIAEAの今年6月の訪朝で判明した。設計図にないパイプを使い、廃棄物施設に移送した可能性も残る。
そうなれば、「施設を解体しない限り全量把握は難しい」と専門家は指摘する。ベルギーの再処理施設は、解体に20年以上を費やしている。
IAEAは「恐らく廃棄物は、貯蔵施設外に移されているはずだ」と見る。北朝鮮が6カ国協議合意(2月13日)で提出を約束した核施設や核開発計画の「一覧表」に、核廃棄物量が正しく申告されるのか。初期段階措置に続く「次の段階」を協議する今後の交渉が重要となる。【ウィーン会川晴之】=おわり
毎日新聞 2007年7月12日 東京朝刊
MSN-Mainichi INTERACTIVE 北朝鮮