北への原油削減カギ 中国、食糧供給は継続方針 | trycomp2のブログ
【北京=野口東秀】中国指導部は、北朝鮮の金正日総書記と唐家セン国務委員との会談を境に、北朝鮮に対する厳しい姿勢から“懐柔策”へと重心を戻した。中国はライス米国務長官との会談で、北朝鮮の6カ国協議への早期復帰を目指すことで合意したが、北の説得に失敗すれば、中国の国際的な発言力は失墜しかねない。中国は今後、制裁と懐柔策の両方を使いながら、北朝鮮の説得にあたるものとみられる。
中朝国境最大の町で両国間の物流の7~8割が集中するといわれる遼寧省丹東では最近、「朝鮮からのトラックは空っぽで来て、野菜や小麦粉など食料を積んで帰る」(中国紙)という。
北朝鮮から空のトラックで中国に来るのは、国連安保理の制裁決議のため中国税関での検査時間が長引くのを避けるためか、中国側からの要請を受けたのかどちらかとされる。さらに、中国から北朝鮮に向かう貨物検査も目に見えて厳しくなっているが、中国は今後さらに、独自の「検査リスト」に基づき、北への圧力を強めるとみられている。
香港紙などによると、中国銀行や中国建設銀行など中国の4大国有商業銀行と英大手銀行HSBCが、中国当局の通知を受けて北朝鮮への送金業務を停止した。
丹東から出発していた北朝鮮観光ツアーを取り消す旅行社も出始めた。延辺朝鮮族自治州では21日に当局が北朝鮮へのツアー中止を求めたようだ。
専門家によると、訪朝視察団や商談会、中国企業のプロジェクト見直しの動きが出ているといい、対北投資にブレーキがかかる可能性もある。
さらに国境周辺での軍事演習や、兵器部品の供給停止なども含まれる可能性がある。
一方、中国筋は21日、北朝鮮を過度に刺激するとして、安保理決議に盛り込まれた海上での貨物検査には「従来通り、参加しない」と改めて指摘した。
また、中国から北朝鮮への主な援助物資である石油、食糧、肥料などは制裁品目に入っておらず、とくに食糧については「人民の生活に直結するため止める考えは、今はない」(同筋)という。ただ、北朝鮮の原油消費量の8~9割を占めるとされる中国からの原油供給がストップした場合、北朝鮮経済が受けるダメージは甚大だ。
外交筋によると、中国は、北朝鮮が再び核実験準備を進めるなど、今後の対応次第では、原油の供給を削減する可能性が高いという。
中国は北朝鮮が崩壊すれば、北からの大量の難民流入や、南北統一で米国の影響力が半島全体に及ぶことを恐れているとされる。このため、中国としては、これら“制裁カード”をタイミングを計りながら切ることで、北朝鮮の6カ国協議への早期復帰を実現させる構えのようだ。
しかし、こうした中国のやり方は、北朝鮮が核計画を断念しない以上、いたずらに核開発の時間を与えるだけ、という冷めた見方もある。
(10/22 00:06)
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