北朝鮮のペース崩せず 並行協議、迫られる戦略見直し | trycomp2のブログ
日本と北朝鮮による拉致事件や国交正常化交渉、核・ミサイル問題に関する並行協議は八日、全体会合を終え、閉幕した。日本側が最優先課題と位置づける拉致事件で進展はなく、北朝鮮ペースともいえる並行協議を疑問視する声もあり、政府は対北交渉戦略の練り直しを迫られた。(北京 大谷次郎、野口東秀)
≪平行線≫
「納得のいく答えはなく、非常に遺憾だ」
七日夕、二度目の拉致事件協議を終えた梅田邦夫外務省アジア大洋州局参事官の憮然(ぶぜん)とした表情が今回の協議の不毛さを物語っていた。
拉致事件に関する協議は二日間、のべ十時間半以上も行われたが、横田めぐみさんの偽遺骨問題を北朝鮮側が蒸し返し、成果は何一つなかった。
それどころか、北朝鮮側は想定外の「クセ球」を投げた。北朝鮮を脱出(脱北)した日本人妻らを支援する非政府組織(NGO)幹部ら七人を「誘拐犯、拉致犯」と非難、身柄の引き渡しを求めてきたのだ。
北朝鮮の宋日昊大使は八日、北京の北朝鮮大使館で記者会見し、「拉致問題を解決しようというのに(日本は)拉致をしてはいけない」と非難。「われわれの拉致も悪いが対応は良かった。非人間的な対応ではなかった」と開き直った。さらに「拉致問題を解決しようというのは経済支援を受けたいというのではなく、拉致が悪いことだからだ。被害者家族の気持ちも理解する」とソフトムードまで装った。
これに対し八日昼、日本側代表団の団長を務めた原口幸市・日朝国交正常化担当大使は、「(北朝鮮側の)どこに誠意ある努力があったのか。疑問を抱かざるをえない」と切って捨てた。
≪停滞≫
並行協議は、膠着(こうちゃく)状態にある拉致事件を前進させるため、経済協力という「あめ玉」をちらつかせて、北朝鮮を対話のテーブルにつかせる狙いがあった。外務省幹部は「全体で二十時間のうち七割は拉致、安全保障にあてて、詳細に意見交換したことは意義がある」と一定の評価をする。
しかし、拉致事件の前進はなく、北朝鮮への経済制裁を求める世論が高まるのは必至。並行協議による対話路線の意義すら問われかねず、早くも「安全保障を並行協議に組み込んだのが間違いだ」(外交筋)との批判も出ている。
拉致事件と国交正常化は日朝二国間の懸案事項だが、核・ミサイル問題は多国間の問題。実際に六カ国で協議が行われており、「日本が経済制裁に踏み切れば、北朝鮮は『多国間で協議中なのに、日本だけそういう行動に出るのはおかしい』と六カ国協議からの除名を求めるはず。拉致と安全保障を同列に置いたため状況は複雑になった」(同)というのだ。
外務省は並行協議と六カ国協議を「車の両輪」と位置づけ、両協議を包括的に前進させたい考えだったが、すべては停滞したままだ。
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