拉致解決へ…ラジオ攻勢強化、対北放送開始

拉致問題への対策の一環として、政府が7月から北朝鮮向けの短波ラジオ放送を開始することが11日、分かった。対北ラジオ放送をめぐっては、拉致被害者を調べている「特定失踪(しっそう)者問題調査会」が放送事業者の免許を受けて国内から短波放送を発信しているほか、韓国在住の脱北者が流している「自由北朝鮮放送」(金聖●(=王へんに文)代表)が6月末に情報収集の拠点として、東京に日本支局を開設する。ラジオによる“対北攻勢”が強化される。
政府は北朝鮮向けラジオ事業関連費に1億3400万円を計上。独自に番組を制作し、第3国の放送施設に委託して流す方針。番組は日本語と朝鮮語で制作され毎日2回30分ずつ放送する。
北朝鮮に残されている拉致被害者への励ましや外部情報の提供、日本の家族からの呼びかけなどを盛り込み、1週間ごとに番組内容を変えていくという。
放送開始に向け、家族会メンバーによるメッセージの収録もすでに行われ、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の父、滋さん(74)は「めぐみちゃん、全国の人が待っているから、元気でいてください」と呼びかけた。
中山恭子首相補佐官(拉致問題担当)は「(ラジオ放送は)政府が当然進めるべき仕事だと思っている。色々なルートで北朝鮮に対し、日本の状況を伝えることがあっていい」と話す。
2005年12月に韓国から放送を始めた「自由北朝鮮放送」は、取材や日本語版ホームページ開設のため支局設立の準備を進めており、常駐スタッフを置いて今月28日にオープンする。
■日本の情報も発信
自由北朝鮮放送では拉致被害者の支援組織「救う会」の西岡力副会長が、拉致問題について語るコーナーが定期的に設けられており、支局開設で、日本発の情報を増やす計画だ。
金代表は「家族会や政府関係者と会い、拉致問題を中心とする日本の動きをより多く伝え、北朝鮮の内部情報を日本に伝えたい」と話している。
北朝鮮側は、特定失踪者問題調査会が放送している「しおかぜ」に対し、度々妨害電波を発信しており、対北放送の「効力」があることは実証済み。
北朝鮮のラジオは特定の周波数しか受信できないように、チューニングがハンダ付けされているとされるが、住民らはこれを外したり、改造するなどして、米国の「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」やワシントンに本部を置く「自由アジア放送」などの海外放送を聴いているとされる。脱北者の約7割が海外放送を聴いていたとのデータもある。
米国務省は、5月に発表した北朝鮮の人権状況に関する年次報告書で調査会の「しおかぜ」に言及。「レフコウィッツ大統領特使(人権問題担当)はこの活動の盛り上がりを歓迎し、支持している」と記している。
拉致解決へ…ラジオ攻勢強化、対北放送開始-事件ですのニュース:イザ!