有本夫妻講演会「命の叫び―娘を返して!」 | trycomp2のブログ
戦う意思をブルーリボンに秘めて
北朝鮮による拉致被害者、有本恵子さん=拉致当時(23)の両親、明弘さん(78)と嘉代子さん(80)夫妻が、10月6日に本学にて「生命の叫び―娘をかえして!」と題して講演を行った。この講演は、本学の特色ある講義のひとつ「総合安全保障論」の講義の一環として開催されたもの。会場となった大教室棟514教室は、入り口にて配布されたブルーリボンを着けた約900 名の受講者で埋め尽くされた。
有本恵子さんが欧州で拉致されたのは、23年前の昭和58年のこと。留学中の恵子さんを拉致したのは、「よど号」ハイジャック犯柴田泰弘の妻八尾恵だということが明らかになっている。北朝鮮側の説明では恵子さんはガス中毒で死亡したとされているが、遺体の確認はされていないなど、いまなお不明な点が多い。
今回の講演は「横田めぐみさん等被拉致日本人を救出する京都会」会長の中村喜代治氏による、拉致問題の概略やブルーリボン運動についての説明で幕を開けた。同会は北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの母、早紀江さんの母校である堀川高校の同期生によって設立された会である。創立以来、友情の支援で被害者家族を支えてきた。中村氏は「いまの日本には国を愛する心が欠けている。家族を愛し、他人を思いやる心、悪に立ち向かう心を取り戻し、素晴らしい国家を築こう」と呼びかけた。恵子さんの父、明弘氏は講演で「拉致問題に関心を持ったのは右の人だけで左の人はそっぽを向いた。また、昔はマスコミからも政治家からも外務省からも冷たくあしらわれた。一般の人も、小泉前総理の訪朝まで関心を持たなかった」とこれまでの世間の関心の無さについて嘆いた。また「いまは、日本中がひとつになって問題解決に取り組むべきとき。与野党に分かれて内輪でもめている場合ではない」と、日本国内の世論がまとまり団結することの必要性を説く。
長年にわたり事件を隠蔽し、解決を先送りし続けた結果、解決のめどはいまだたっていない。これまでの対話と圧力も暗礁に乗り上げたと見る明弘氏は「解決のためには力で押し切らねばならない。各国と足並みを揃え日本も経済制裁を加えている。いまは有事で北朝鮮の出方次第では戦争もありうるということを覚悟する必要がある。安倍総理は適切な行動をとろうとしている」と安倍政権への期待を語った。
恵子さんの母、嘉代子氏は恵子さん拉致事件のあらましを説明し、家族の愛情や絆について話した。また主権が侵されているにもかかわらず、北朝鮮ベースの交渉に終始してきた政府の対応に怒りを滲ませた。講演の最後に、「1日でも早く拉致被害者を取り返すことを、親として以上に日本人として願っている。今日は多くのこれからの日本を担う若者に関心を持ってもらえてよかった。皆さんの力に期待している」と受講者に訴えた。
講演後の記者会見で、明弘氏は本紙記者のいま学生は何をなすべきかとの質問に「日本の現状を踏まえ正常な判断ができる能力を養ってもらいたい」と答えた。
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