日韓関係改善に遅れ 「拉致より核」発言に外務省が不信感
政権発足直後の安倍晋三首相訪韓にもかかわらず、日韓関係改善の遅れが目立ってきた。中国とは首脳の相互訪問が再開されることになったが、韓国とは盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領訪日や排他的経済水域(EEZ)境界画定交渉の再開もめどが立たない状況だ。
大統領は25日の年頭会見で厳しい対日批判を展開。6カ国協議に関連し、日本人拉致問題について「関係国は拉致問題が核問題と同格の扱いで提起されることを望んでいない」とも述べた。
これに対し、安倍首相は同日夕「核と同様に、拉致問題は絶対に解決しなければいけない重要な問題だ」と反論した。表現は穏やかだが、内心は不快だったに違いない。
大統領発言は関係改善が進まない日韓関係を象徴したもので、外務省内では「盧大統領の間は何もできない」(幹部)と不信感も生まれている。
このため、安倍首相が昨年訪韓した際に招請した大統領訪日も、日程調整が具体化する気配はない。1月にフィリピンで日中韓の首脳が顔をそろえた際も、日韓会談だけは開かれなかった。
日中間では、4月に温家宝首相が来日し、年内の安倍首相再訪中も検討されており、日韓の停滞ぶりが際立っている。
日韓の最大の懸案である竹島周辺海域のEEZ境界をめぐる対立も解消されないままだ。昨年9月のEEZ境界画定交渉では年内再開を合意していたが、年が明けても再開の機運はない。
(中山高志)
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