改正油賠法施行1年 北朝鮮への「制裁」不発 小樽入港、前年とほぼ同じ | trycomp2のブログ

改正油賠法施行1年 北朝鮮への「制裁」不発 小樽入港、前年とほぼ同じ

 【小樽】外国船に船主責任保険(PI保険)の加入を義務付けた改正船舶油濁損害賠償保障法(油賠法)の施行から、二月末で一年が過ぎた。北朝鮮への事実上の経済制裁が目的とされる法律だが、この一年の小樽港への北朝鮮船の入港実績は前年とほぼ変わらず、政府の狙いは空振りに終わった形だ。

 昨年三月から今年二月までの一年間に小樽港に入った北朝鮮船は、前年同期より二隻少ない九十三隻。輸入額は、ウニやカニを中心に十億七千万円で、前年同期比で二億八千万円の増。小樽市港湾部は「小樽港については、油賠法の影響は出ていない」と分析する。

 北朝鮮船は法律施行直後は、保険の適用外となる一○○トン未満の小型船が多かったものの、昨年八月以降は二○○トン以上の船が目立ち、北朝鮮側が順次、PI保険に入り、日本への輸送体制を整えた形跡がうかがえる。

 国土交通省によれば、PI保険に加入した北朝鮮船は昨年四月時点ではわずか十七隻だったが、今年二月末には百六隻に増加。同省は「日本に来航実績のある船の八割以上が加入している」としている。

 ただ、北朝鮮船が数多く入港する舞鶴(京都府)、境港(鳥取県)の両港は、入港数が百隻以上も減っており、油賠法の影響は港によってまだら模様だ。

 関係機関は小樽港が減らなかった理由として、「小樽は単価の高いウニが中心で、PI保険に入って大きな船で運んでもメリットがある。これに対し、境港などは単価が高くはないズワイガニとシジミが主力で、大きな船で運ぶ必要があるが、保険料を支払うと採算が取れないケースが多い」としている。

 施行一年の状況について、北朝鮮問題が専門の早稲田大学国際教養学部の重村智計教授は「事実上の経済制裁の意味があった油賠法だが、保険会社の審査が形式的な部分もあった。政府は経済制裁を意図したかもしれないが、十分な効果を上げたとは言い難い」と話している。

北海道新聞 社会