金総書記視察 北朝鮮カード強化 中国、支援を再確認へ | trycomp2のブログ

金総書記視察 北朝鮮カード強化 中国、支援を再確認へ

 【北京=伊藤正】中国指導部は、秘密訪中した北朝鮮の金正日労働党総書記が、改革・開放の最前線である広東省を視察したことを、北朝鮮が経済再建に本腰を入れる兆候として歓迎、支援強化を再確認する見通しだ。これによって中国は、北朝鮮への影響力をさらに増し、核問題の六カ国協議の推進を図るとみられるが、米国などが指弾している北朝鮮の犯罪行為を放置したままでは、国際社会の疑念を招く可能性もある。

 金正日総書記の広東省訪問は、一九八三年に故金日成主席に同行して初訪中した際、トウ小平氏に勧められ深センを視察して以来だった。金正日氏は当時、「中国は修正主義になった」と述べたといわれ、九四年に北朝鮮のトップになった後も独自路線を続け、中国とは一線を画してきた。

 金総書記は二〇〇〇年五月に就任後初訪中、翌年一月には上海を視察し、改革・開放を称賛、国内で価格改革に着手したものの失敗。経済困難が深刻化する中で、先軍政治という軍事力による政権維持に努めた。

 北朝鮮支援を重ね、根気強く北の変化を待ち続けた中国にとって、北朝鮮の核は中国の安全保障や対米関係などに深刻な打撃になった。中国の専門家筋によると、北朝鮮への強硬措置も検討されたが、「圧力よりも支援が有効」との結論になったという。

 同筋は、二〇〇三年以降、中国の支援拡大で、北朝鮮の対中依存が強まったとする。九〇年代以降、低迷していた中朝貿易は〇四年に十四億ドルに拡大、昨年は十六億ドル前後へと伸びた。中国企業の対北朝鮮投資も徐々に増えつつある。

 中国は、北朝鮮をソフトランディングさせることが、核問題の平和解決の早道とみており、六カ国協議が前進した後の昨年十月、呉儀副首相に続いて訪朝した胡錦濤国家主席が中国の改革・開放の成果を誇示し、北朝鮮にも改革を促した背景だった。金正日氏がそれから三カ月もせずに訪中、広東省を視察したことは、中国に学ぶ姿勢を見せたともいえる。金氏は胡錦濤主席との会談で、五年前の上海視察後に江沢民国家主席(当時)に語ったのと同じく、改革・開放をたたえ、学びたいと表明したはずだ。

 中国とは条件が大きく異なる北朝鮮が、中国モデルを導入するとの期待は中国側にはない。しかし金総書記が、対中依存を深めることは確実であり、中国指導部が今回の訪中を歓迎する理由でもある。

 金総書記が胡主席に対し、米国の金融制裁の不当性を訴え、理解を求める可能性もある。四月にも訪米予定の胡主席は、おそらく一層の経済・政治支援を表明するにとどめるとみられるが、いずれにせよ、中国が「北朝鮮カード」をどう使うか、国際社会の関心を呼ぶことになろう。

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 【最近の金正日総書記の訪中】

 2000年5月29-31日 

    北京を訪問。近郊の工場などを視察

  01年1月15-20日 

    北京、上海を訪問。半導体工場、証券取引所などを視察

  04年4月19-21日 

    北京を訪問。農村などを視察

  06年1月10日から 

    上海、広州、深セン、北京などを訪問。港湾施設やハイテク産業関連施設などを視察
Sankei Web 産経朝刊 金総書記視察 北朝鮮カード強化 中国、支援を再確認へ(01/18 05:00)