ARF:“脅し”の北朝鮮、一層の孤立化の可能性も | trycomp2のブログ

ARF:“脅し”の北朝鮮、一層の孤立化の可能性も

 【クアラルンプール大澤文護】北朝鮮の核・ミサイル問題を最大のテーマとした東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)は28日、本来の目的である「地域の安全保障対話」の中に北朝鮮をとどめるという成果を上げられないまま終わった。今後、日米を中心に北朝鮮に対する追加的な制裁措置を検討すべきだとの声が高まることが予想され、北朝鮮の国際社会での孤立化が一層、進む可能性が出てきた。

 これまで、追加措置を最も強く言及してきたのは、米国だった。ARF開催前に、6カ国協議の米首席代表を務めるヒル国務次官補は、北朝鮮が6カ国協議に復帰しなければ「追加的(制裁)措置」を関係国と検討すると発言していた。

 しかし、今会議では米国と北朝鮮との接触はほとんどないまま終わった。レバノン情勢を巡るローマでの国際会議からクアラルンプールに移ってきたライス国務長官は刻々と動く中東情勢への対応に追われる場面も多く、北朝鮮問題については従来の批判的な発言を繰り返すのみで、米国のイニシアチブは発揮できないままだった。

 北朝鮮側は会議には参加したものの、議長声明に反発し、ARFからの脱退もちらつかせるなどの言動で、全体の調和に“脅し”をかけ続けた。北朝鮮側にとって今回の会議の成果があるとすれば、朝鮮半島情勢をめぐる関係国の足並みの「乱れ」を確認したことだ。

 特に韓国は北朝鮮のミサイル発射にもかかわらず、南北閣僚級会談を開催し、北朝鮮の開発支援を継続した。さらに米国や日本が北朝鮮を非難し、経済制裁の強化につながる国連安保理決議を急いだ際も、中国と共に「対話再開を優先する」との立場を維持した。

 韓国の聨合ニュースによると、韓国政府高官は「日米が主導する北朝鮮圧迫政策は、状況を悪化させるというのが韓国政府の基本的な判断」と述べ、日米韓の対北朝鮮政策の相違が、これまで以上に明確になった。

 しかし、会議ではこうした韓国の調整力は発揮されなかった。一方、北朝鮮は今後、こうした関係各国の意見相違をあおりながら国際社会の圧力を弱めつつ、6カ国協議への復帰を条件に、さらなる食糧・経済支援を引き出すという外交戦術を強化する可能性が高い。

毎日新聞 2006年7月29日 0時09分 (最終更新時間 7月29日 0時13分)
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