北朝鮮人権法、「歓迎」の一方「注文」…北へ圧力を | trycomp2のブログ

北朝鮮人権法、「歓迎」の一方「注文」…北へ圧力を

 拉致問題の解決を国の責務とした北朝鮮人権法が16日、成立したのを受け、拉致被害者の支援組織「救う会」は、この法律に盛り込まれた「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」(12月)に合わせ、各国の拉致被害者の関係者らを集めた大規模な国際会議を開き、国際社会に早期解決への協力を呼びかける。

 また、横田滋さん(73)ら拉致被害者の家族は、同法成立を「今後の励みになる」と歓迎しながらも、「(北朝鮮への)圧力のカードとして活用してほしい」と政府に注文を付けた。

 同法では、拉致事件など北朝鮮による人権侵害を広く理解してもらうため、12月10~16日を啓発週間に定めたほか、これらの問題に取り組む民間団体への財政支援を規定している。

 救う会では、この期間に北朝鮮人権問題をテーマにした国際会議を計画している。会議には、欧米の人権団体や、日本以外に韓国、タイ、ルーマニアなど12か国に及ぶとされる拉致被害者の家族、拉致から救出されたレバノン人女性、北朝鮮の強制収容所の経験者らを集め、人権問題の実情を証言してもらう。米国のレフコウィッツ北朝鮮人権問題担当特使も招く意向だ。

 同様の会議は、一昨年に北朝鮮人権法が施行された米国の人権団体が、米政府の支援を受け、ワシントンなどでも開催している。救う会は「北朝鮮の横暴に苦しむ人たちが存在することを国際的に訴える場にしたい」としている。

 また、成立後、記者会見した家族会代表の横田滋さんは「北朝鮮への圧力という意味では、こうした法律が成立したこと自体を喜びたい」と話し、妻の早紀江さん(70)も「ようやくここまできた。早く拉致問題が解決するよう望むばかり」と歓迎した。

 この法律では、人権侵害が改善されない場合、「国際的動向を総合的に勘案」することを条件に、北朝鮮船舶の入港禁止など経済制裁を発動する裁量を政府に与えており、滋さんは「後は政府が法をいかに生かすかが課題」と訴えた。

 一方、脱北者の保護や支援も盛り込まれた。脱北者支援団体の「RENK」代表、李英和(イ・ヨンファ)関西大教授は「難民認定を受けられない脱北者の生活は厳しい。予算が付けば活動の大きな後ろ盾になる。日本に来る脱北者が増えれば、米韓のように脱北者から拉致事件などの情報を入手できるのではないか」と期待を寄せた。

 ただ、経済制裁発動について、家族会事務局長の増元照明さん(50)は「誰がどのような判断で行うか規定がない。実際には難しいのでは」と不満ものぞかせた。
(2006年6月16日14時45分 読売新聞)
北朝鮮人権法、「歓迎」の一方「注文」…北へ圧力を : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)