制裁形骸化に歯止め 後絶たぬ第三国「迂回」 | trycomp2のブログ

制裁形骸化に歯止め 後絶たぬ第三国「迂回」

 北朝鮮製のステンレス継ぎ手を不正輸入したとして兵庫県警と神戸税関などは二十九日、外為法違反容疑などで、石川、京都の業者の摘発に踏み切った。昨秋、日本政府は北朝鮮からの輸入を全面禁止。輸入額はゼロのはずだが、第三国を迂回(うかい)し、虚偽申告のうえ日本に不正輸入される製品は後を絶たず、税関、警察当局は「経済制裁の形骸(けいがい)化につながる」と警戒を強めていた。

 不正輸入が発覚したステンレス継ぎ手は、建築物や配水管などの接続具。鉄管継ぎ手に比べ、柔軟性があり、近年、国内ではステンレス継ぎ手への移行が進んでいる。

 うち日本などから輸出した原材料を北朝鮮で委託加工した製品は多いとみられる。二〇〇五年に北朝鮮から輸入された同製品類は総額約三億五千万円に上り、同国からの輸入品目全体の十二位(財務省調べ)を占めた。

 日本政府は昨秋、北朝鮮からの輸入を全面禁止にしたが、外為法の解釈上、日本の原材料を使った委託加工製品の輸入は違法性を問えなかったため、昨年十一月に外為法の規定を変更。今回の摘発は、規定変更後、全国で初のケースとなった。

 日本で需要が高い北朝鮮製の建築用部材のほか、マツタケやアサリなどの食料品は大量に不正輸入され、国内に流通している疑いがある。だが、虚偽申告されるケースがほとんどで、表面化しにくいという。

 今年三月、下関海上保安署などが、輸入禁止の北朝鮮産アサリを中国産と偽って輸入した山口県内の業者を摘発した。捜査当局は「経済制裁の実効性を高めるため、積極的に不正輸入を摘発したい」としている。

突然の捜索に従業員戸惑い

石川、京都の会社 北朝鮮製のステンレス継ぎ手を不正輸入していたとされる石川県津幡町の金属加工メーカー「フィッテング久世」の捜索は、午前八時半ごろから始まった。捜査車両六台に乗った兵庫県警などの捜査員約二十人が建物内に入ると、従業員らは、突然の捜索に戸惑いの表情を浮かべていた。

 一方、貿易の仲介役をしたとみられる京都市右京区の「向陽商事」社長の自宅兼事務所には、午前九時二十分ごろから、約十人の捜査員が段ボールを持って入った。

 約二十分後、関係者とみられる男性らが事務所に現れ、捜査員に捜索目的などを問い詰める場面もあった。事務所は住宅密集地にあり、住民は捜索を遠巻きにしていた。

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