日韓国境超える家族の叫び 国民大集会2500人 | trycomp2のブログ

日韓国境超える家族の叫び 国民大集会2500人

 拉致被害者の「家族会」と支援組織「救う会」、超党派の国会議員で組織する「拉致議連」は28日、東京都千代田区の日比谷公会堂で、全国規模の国民大集会を開いた。来日中の韓国の被害者家族会の代表や最大野党ハンナラ党の国会議員、北朝鮮の専門家らも出席、定員の2000人を上回る2500人が会場を訪れ、日韓の家族らの悲痛な叫びに耳を傾けた。

 10回目となる国民大集会の今回のテーマは「小泉首相の決断と今年中に拉致被害者全員の救出を求める」。田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄、飯塚繁雄さん(67)は「愛しい家族が30年以上も、今この時間も(救出を)待っている。韓国や他の国とも手を組んで、北朝鮮への圧力をさらに強くしていきたい」とあいさつし、政府の迅速な対応を求めた。

 「父の日に、父の胸にカーネーションをつけられなくなって、もう20年が過ぎました。来年は愛するお父さんにカーネーションを付けられるよう、みなさん、お力を貸してください」。韓国の「拉致被害者家族協議会」の崔祐英会長が日本語でそう訴えると、大きな拍手がわき起こった。

 横田めぐみさん=同(13)=の母、早紀江さん(70)は「北朝鮮は2002(平成14)年暮れ、(めぐみさんの娘の)キム・ヘギョンちゃんを利用して、横田家に訪朝させようとしました。今後も『北』がやる幕引き作戦に乗ることなく、信念を持って闘っていきます」。

 増元るみ子さん=同(24)=の姉、平野フミ子さん(56)は「小泉首相はイラクの人のために自衛隊を派遣している。でも国家主権を侵されている拉致被害者にはどうなさるおつもりですか」と、改めて北朝鮮に対する制裁の発動を訴えた。



≪家族の声を聞かぬ政治家≫

家族会と救う会の行動には2つの大きな柱がある。「国際連携」と「制裁発動」だ。

 4月の訪米や5月の訪韓をはじめ、タイの外務大臣と面会し日本側から拉致問題に関する情報を提供するなど、家族らは今年に入り、国際連携を構築するため積極的に動いてきた。

 もうひとつの「制裁発動」はどうなっているのか-。今回の集会は、それを政府や国会議員らにただす意味もあった。

 安倍晋三官房長官はメッセージを寄せた。「拉致被害者が全員生存していることを前提にあらゆる努力をしている」とし、小泉純一郎首相がよく口にする「対話と圧力」ではなく、安倍長官は「圧力と対話」とした。政府として外国要人との会談や国際会議で拉致問題の話を取り上げ、支援と協力を要請していくことも約束した。

 中川昭一農林水産相は「私は食糧の担当です。万が一にも、コメひとつ、日本海の向こうに贈るのであれば、体を張って阻止していきたい」と語った。

 山谷えり子内閣府大臣政務官も「国会が終われば、各省庁の政務官は世界中に飛び、拉致問題に関するパンフレットを配ります」と宣言した。

 与野党の国会議員からも対北圧力を強めるべきだとの声が相次いだ。

 「経済制裁を行うかではなく、いつ、どんな所で行うかの時期にきている」(逢沢一郎衆院議員)、「なぜ経済制裁を躊躇(ちゅうちょ)するのか」(中井洽衆院議員)、「なんとしても万景峰号の入港を止めたい」(漆原良夫衆院議員)・・・。

 家族が望む制裁発動に閣僚や国会議員が賛同したのだから、心強かっただろう。だが、発言したのはいずれも拉致問題に熱心な「拉致議連」のメンバーだ。閣内、与野党の議員の多くがこの認識を共有しなければ、制裁発動の行方は不透明だ。

 横田めぐみさんの「偽遺骨」問題で、当時の細田博之官房長官が「北朝鮮側に誠意ある回答を強く求め、こうした対応がない場合には、厳しい対応を取らざるを得ない」と述べてから、すでに1年5カ月。誠意ある対応はいまだにない。

 「何も動いていないのが残念でならない」。田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん(29)はそう語る。増元るみ子さんの弟、照明さん(50)は「なぜひとつの制裁さえもできないのか。私たち家族の本気度が物足りないのか」と語気を強めた。

 家族の思いはいまだに多くの政治家に届いていないのか。「自分の身内と置き換えて考えて下さい」。会場に家族の叫びが響き渡った。

(05/28 23:34)
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