厚労省補助金詐取 北と政界、パイプ誇示 小坂容疑者、拉致事件にも介入
慶大医学部出身のエリート医官と北支援で知られるNGO代表代行。一見して何の接点もなさそうな2人が9日、厚労省の科学研究費補助金(科研費)をだまし取った疑いで警視庁に逮捕された。科研費をめぐってはこれまで、研究者による流用や不正受給が明らかになっているが、“身内”が関与した不正行為は見抜けなかった。一方、警視庁は「北とのパイプ役」を自任していた代表代行にも大きな関心を寄せているとみられ、今後、詐取金の使途や余罪について調べを進める。
「政治家のほか、産業界にも太いパイプがあった」。NGO「レインボーブリッヂ」代表代行、小坂浩彰こと博幸容疑者(54)を知る関係者はこう評する。国会議員や中央省庁がある霞が関に知り合いは多いといい、電力会社やゼネコンなど産業界にも人脈を持っていた。こうした中で、厚生労働省医系技官で現在は埼玉県部長の中村健二容疑者(49)とも知り合ったとみられる。
平成12年にレインボーブリッヂを設立、15年から代表代行に。北のエネルギー支援として風力発電装置の導入を提案。大手鉄鋼メーカーの風力発電施設を北に送る計画を進めていたこともあり、事業の過程で産業界の人脈開拓も広がっていた。
「(小坂容疑者は)現職閣僚ともつながりがある」(関係者)。同郷の三重県出身の坂口力・元厚生労働相の選挙を応援したり、片山虎之助・自民党参院幹事長に100万円を献金するなど、有力政治家とのパイプ作りにも力を入れた。
NGOのホームページで北朝鮮を80回以上も訪問し、朝鮮労働党幹部と140回会談したとアピール。廃タイヤチップや医薬品を提供し、北朝鮮当局との関係を深めた。
「金正日総書記の側近とパイプがある」。小坂容疑者はこう吹聴し、北との国交正常化後のビジネスチャンスを見据えた企業幹部が小坂容疑者とともにひそかに訪朝。また、拉致事件で被害者の子供の帰国問題に“介入”したことで知られる。
14年に横田めぐみさんの娘、キム・ウンギョン(ヘギョン)さんと北朝鮮で面会したほか、15年には帰国した被害者の蓮池薫さんらの子供6人の手紙やビデオを日本に持ち帰った。被害者の地村保志さんの父、保さんは「ビデオを公にしないよう約束したのに表に出し、息子(保志さん)も怒っていた。逮捕と聞き、やはり信用できない男だと思った」と話す。
昨年7月には水谷建設をめぐる脱税事件で団体などが捜索された。中村容疑者との付き合いは10年以上になるという。
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 厚労省補助金詐取 北と政界、パイプ誇示 小坂容疑者、拉致事件にも介入