【主張】日朝協議 正常化へ前のめりは危険 | trycomp2のブログ
北京で日朝政府間協議が始まった。初日は全体会合で、二日目から(1)拉致問題(2)国交正常化問題(3)核・ミサイル問題の順で協議が行われる。国交正常化交渉は三年三カ月ぶりの再開だ。
北朝鮮の最大の関心事は過去の清算と国交正常化だろうが、日本は拉致問題が最優先課題である。「拉致問題の解決なくして国交正常化はない」という原則を絶対に崩してはいけない。間違っても正常化交渉で具体的な金額の議論などに入るべきではない。正常化交渉が先行すれば拉致問題が置き去りにされてしまいかねないからだ。
拉致問題で日本は被害者の帰国と実行犯の引き渡しに加え、拉致された疑いが濃厚な特定失踪(しっそう)者についても、情報提供を求める。また、タイ人拉致被害者の問題も取り上げる。安倍晋三官房長官が先月末、タイの副首相と会い、協力を約束したことを受けたものだ。他の被害国との連携は、北に事件解決を迫る有力な手段となろう。
年末から今年にかけ、帰国した拉致被害者の証言や警察の捜査で、拉致に関する多くの新事実が浮上した。原敕晁(ただあき)さんを拉致した辛光洙(シン・グァンス)容疑者が横田めぐみさんや地村保志夫妻の拉致に関与していた疑いや、昭和四十九年に失踪した千葉県の女子高校生二人が北に拉致された、などの疑惑だ。
北は「拉致問題は解決済み」などとしているが、それを許さないためには、これらの新事実も北に示し、回答を求めてほしい。
警察庁は今年を拉致事件解明の「勝負の年」とし、警備局に「拉致問題対策室」(仮称)を設置して都道府県警の捜査を徹底指導する構えだ。
今回の日朝協議に先立って開かれた政府の拉致問題専門幹事会では、日本のほぼ全省庁が連携し、制裁措置を視野に入れたうえで、北の不正行為を監視することが決められた。議長の鈴木政二官房副長官は「国の威信をかけて拉致問題に取り組む。自分の家族が拉致されたと思って全力で当たってほしい」と決意を述べた。
自民党の経済制裁シミュレーションチームは、拉致事件の進展がみられない場合に北への送金停止などを可能にする法案を今国会に提出する。これらの日本側のメッセージを、北は今度こそ真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
Sankei Web 産経朝刊 主張(02/05 05:00)
