拉致被害者写真展 | trycomp2のブログ
平和な普通の家庭が、なぜこんな苦しみを味わわねばならないのか―。そんな思いがこみ上げてくる。松山市のフジグラン松山で開かれている北朝鮮による拉致被害者らの写真展を訪れた▲
横田めぐみさんは家族写真がほとんど。印象に残ったのは、山口県萩市への旅行で母早紀江さんや双子の弟と手をつなぎ、楽しそうに歩く写真。母の手作りの服を着てご機嫌な表情がよけいに胸に突き刺さる▲
生まれたばかりの弟にキスをする写真は秀逸で、父滋さんがカメラ好きだったのがうなずける。「お嫁に行くときにでも持たせよう」と、十三歳で拉致される直前まで撮り続けたという。初節句でめぐみさんにほおずりする滋さんの姿もあった。今もそのぬくもりを忘れられないに違いない▲
両親とももう七十歳を超えた。全都道府県を訪れ、講演も千回に上る。あきらめない姿勢が人々の心を引きつけてきた。米国人が作ったドキュメンタリー映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」も来月から国内上映される。関心を絶やさないことが力となる▲
安倍晋三首相は政府に拉致問題対策本部を新設し、北朝鮮の核実験に対して拉致問題も理由に独自制裁を決めた。だが、北朝鮮は「問題は解決済み」との姿勢を崩さない。先行きは不透明だが、今は圧力を強めるしかあるまい▲
北朝鮮の拉致被害者らに向けて短波放送が昨秋から流されている。「明るいめぐみちゃんが元気で帰ってくるのを待っています」。早紀江さんの呼び掛けが届くことを祈りたい。
愛媛新聞社ONLINE
