配給復活へ アメとムチ 北朝鮮 | trycomp2のブログ

配給復活へ アメとムチ 北朝鮮

【北京=五味洋治】北朝鮮は朝鮮労働党創建六十周年を迎える今月十日から、住民への食糧配給を復活させる見通しだが、これに合わせて国内の各市場でのコメ販売の禁止を決めたことが分かった。北朝鮮に詳しい複数の関係者が明らかにした。
 北朝鮮は二〇〇二年七月に「経済管理改善措置」を発表、労働者の給与水準などを引き上げる一方、農産物を販売していたヤミ市場を公認した。しかし、市場原理により、コメ価格は高騰と下落を繰り返し、住民生活に大きな影響を与えていた。
 一方で、今年の北朝鮮の穀物生産は、食糧難の深刻化した一九九五年以降で最高となる五百万トン近くに達するとの見通しが立ってきた。北朝鮮の穀物需要は今年約五百十三万トンとみられ、不足分が近年になく減少すると予測されている。
 今回の販売禁止措置は、配給制度に必要なコメの確保にあわせ、市場経済の無秩序な拡大を防ぎ、住民統制に役立てる狙いがあるようだ。
 北朝鮮の食糧配給制度は、一九九〇年代から事実上崩壊していた。ただ軍や、国家機関労働者、都市住民らには続けられており、平壌市民には現在一日当たり七百グラムが支給されている。
 配給制の復活は最近になって各地方に通知された。配給制度の運営を担当し、各市や郡に置かれている「糧政事業所」に人を配置する動きも確認されている。一方、北朝鮮では、国連による人道支援事業の年内打ち切りも求めており、自前の食糧配給に本腰を入れる姿勢がうかがえるという。
 しかし、最近中国側にわたってきた北朝鮮東北部・咸鏡北道会寧市の男性(35)は「個人農地で野菜を栽培するなど自助努力している人には配給を与えないほか、配給の対価として一定の金も払わなければならず、住民の間には配給制への失望感が広がっている」と実情を明かした。