ワシントン ヒル次官補訪朝めぐり 米朝交渉に警戒感
「6カ国協議再開」という言葉がまた飛び交っている。94年10月、06年9月、そして07年2月、過去いずれも北朝鮮側が一方的に約束を覆し、その都度、「制裁」の声が起こっては消え、その都度「6カ国協議再開」に向け5カ国はねばり強く北朝鮮を説得してきた。とんだ茶番劇が北京で演じられているという声が国際社会から現れはじめている。ワシントンと北京の朝鮮半島外交筋は「北朝鮮が核関連物資を第三国に流出させないという条件で米国は折り合いをつけるつもりだ」と見ている。「核の全面放棄ではなく数量問題に矮小化して話し合われるのではないか」という疑いの声すらある。実際のワシントンのようすはどうか。米アジア平和安全会議議長金暎勲氏にレポートしてもらった。
金暎勲レポート 寧辺閉鎖行われたにしても
6カ国協議米側首席代表クリストファー・ヒルが平壌を訪問してから、ワシントンの少なからぬ高官たちの顔に憂鬱な表情が見られる。平壌での協議にどんな意味も見いだせないと思っているからだ。
以前、ホワイトハウスの北朝鮮通として知られたマイケル・グリーン(元NSCアジア上級部長)は、寧辺の核施設閉鎖を慎重に処理しなければ、さらなる問題に直面すると警告した。米国前国連大使のジョン・ボルトンも、このような交渉は再び大きな過ちを犯すことにつながる可能性が高いと述べた。
ブッシュ政権内のチェイニー副大統領を中心とする強硬派は、「米国の国益のためには、慎重には慎重を期すべきだ」と主張している。
ヒルは「3週間以内に寧辺の核施設は閉鎖される」と言い続けているが、ワシントンの政府筋やマスコミは疑っている。きわめて懐疑的で否定的な反応だ。
ヒルは、北朝鮮との交渉を終え、日本到着後に声明を出した。国務省のマコーマック報道官は、記者会見を開いた。記者たちの質問が相次いだ。「ヒル次官補の言うとおり、本当に数週間以内に閉鎖できるのか」
北朝鮮の核問題解決には、長い道のりが待っている。
まず、国際原子力機関(IAEA)の専門家らで構成された査察団が平壌に入り、実務者と協議して「査察進行表」を作成する。
注目すべきは、直ちに「査察を始める」のではないことだ。「協議して進行表を決めなければならない」という点だ。この協議には長い時間がかかるのではないかと、IAEAの査察団は懸念を深めている。この過程で新たな摩擦や意見の食い違いが起これば、さらに時間はかかる。そうなることを北朝鮮は望んでいる。そうしたやり方は北朝鮮のお家芸だ。
もし、進行表が合意に至れば、北朝鮮はそれに従い査察を受け入れることになる。当然この過程でも多くの問題が発生するだろう。
次の重要なプロセスは、「閉鎖」、「封印」、「監視」、「確認」の作業をどのようにするのかということだ。
ここではさらに、手続きに時間がかかるという問題がある。すべての段階において、常に6カ国協議の本部に報告しなければならないからだ。相当な時間を要すると考えなければならない。
ヒルは、7月10日前後に6カ国協議の首席代表会議を開く予定だと述べた。それが実現しなければ、IAEAの進行表作成後に6カ国協議をするのかという問題が、すでに浮上している。
北朝鮮の核施設閉鎖が終了したとしても、最後に核施設「解体」の作業が残る。これは大きな産みの苦しみをともなうことになるだろう。
北朝鮮が老朽化した寧辺の核施設を解体する可能性は高い。しかし、彼らは事前に何事かを極秘に隠しているのではないかという疑いがつきまとう。
国務省の記者会見で「寧辺の核施設を米国は買い取るつもりなのか」という質問が出た。もしそのようなことが実際にあるのだとして、買い取ることができるとすれば、それは米国の外交的勝利と言えなくもない。科学的にも軍事的にも、大きな収穫になる。旧ソビエトの原子力技術力と、パキスタンのカーン博士の技術力を推し量ることができるからだ。同時に北朝鮮の核技術までも徹底分析できる。
クリントン政権下で合意した1994年10月のジュネーブ合意以降、今日まで13年間も続いている北朝鮮核問題をめぐる会談は、簡単ではなく順調なものではなかった。同じ轍を踏まないとは誰も言い切れない。
(キム・ヨンフン)
統一日報*政治