進む軍近代化・親北外交 米ヘリテージ財団中国専門研究員 ジョン・タシック氏 | trycomp2のブログ

進む軍近代化・親北外交 米ヘリテージ財団中国専門研究員 ジョン・タシック氏

米の対中政策「より強硬に」

 米国務省の元中国分析部長で米有力シンクタンク、ヘリテージ財団の中国専門研究員、ジョン・タシック氏は、東京都内で産経新聞と会見し、中国が進めている軍の近代化と親北朝鮮外交に対し強い警戒感を示し、ブッシュ米政権の対中政策は今後、より厳しい方向に向かうとの見方を明らかにした。

 タシック氏は、ブッシュ政権の関心がテロとの戦いなどに集中して、その対中政策がおざなりになった間に、中国は軍の近代化を加速したとし、「(このうちミサイル技術は)設計から生産まで米国に次ぐ世界最高水準に達した」と指摘した。

 電子戦分野でも、「米軍がイラク戦争に投入した電子システムを中和し破壊する戦術を練る段階にある」と述べ、経済力と外交力を後ろ盾にして包括的に進む中国の軍近代化に危機感を示した。

 そのうえで、日米が連携して対中包囲網を強める必要性を説き、中国が求める「一つの中国」政策の扱いに弾力性を持たせ、「(日米共同で)台湾の主権問題に言及するのも有益だ」と語った。

 タシック氏は八月の中露軍事演習については、「想定は台湾攻撃ではなく北朝鮮防衛だった」と分析。その根拠として、(1)演習の想定に地上部隊の抵抗と航空戦力による反撃がない(2)演習場はウラジオストクと山東半島という北朝鮮を挟む両端だった(3)台湾攻撃でロシア参戦の可能性は極めて低い-などを挙げた。

 演習の三週間前、ゼーリック米国務副長官は北京で戴秉国外務次官と第一回定期米中高官協議を行っており、タシック氏によると、米側は中国の北朝鮮への影響力に期待して大半を北朝鮮の核問題に費やしたという。

 タシック氏は「(にもかかわらず)中露は演習で米国を牽制(けんせい)した」との反感が国務省に生まれたとし、「ブッシュ政権内に中国への失望感が広がっている」と話した。

 同氏は来週、ワシントンで開かれる第二回定期高官協議について、「来年の中間選挙を控えブッシュ政権が対中強硬姿勢に転じる節目になるだろう」との認識を示した。

 タシック氏は米国の対中政策に見直しを迫る「本当に『中国は一つ』なのか」(草思社)の編著者で、同書出版に当たって、来日している。(長谷川周人)(12/03)
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